キャリア甲子園2017 学生取材シリーズ【帝人】

帝人といえば、化学メーカーとして広く世間に知られている企業ですが、帝人が今回キャリア甲子園2017で出題したテーマは、なんと「ITを駆使した少子高齢化・健康志向ソリューションを考えよう!」。なぜ帝人なのに「IT」なのか。なぜ帝人なのに「少子高齢化・健康志向」なのか。その真相に迫ってきました!

お話をしてくれた方 大崎 修一さん
帝人株式会社 CSR企画推進部 部長
profile_jal1988年入社 京都大学大学院 工学研究科 数理工学専攻修了
入社後は先進システム開発技術の応用研究に従事した後、2001年より帝人グループの情報システム企画及びITガバナンス企画に従事。途中2年間の経営戦略室勤務を経て、2015年12月よりCSR戦略企画を担当。2017年4月より現職。趣味は旅行。欧米を中心に海外各国を個人旅行して回っている。
お話を聞いた人 青野 将大
MY FUTURE CAMPUS学生スタッフ 東京大学農学部国際開発農学専修4年
profile_jal2現在カカオ豆を題材とした卒論を執筆するために準備中。学生スタッフ勤務2年目で、スタッフ史上おそらく初めて同じ人に2年連続でインタビューすることになった。

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化学メーカーの技術の応用から始まった在宅医療ビジネス

―― 1年ぶりですね!よろしくお願いします!

大崎さん お久しぶりです(笑)。こちらこそよろしくお願いします!

―― 早速ですが、キャリア甲子園2017年の企業テーマを「ITを駆使した少子高齢化・健康志向ソリューションを考えよう!」にされた背景を教えてください。

大崎さん 帝人グループとして、これから先も社会の中で企業として成長していくためには、社会課題を解決し、社会を支えていく必要があると考えています。帝人の現在のビジネスの中に医薬品と在宅医療機器というヘルスケアビジネスがあります。在宅医療機器とは、つまり患者さんが入院せずに自宅で療養するための機器を提供するというものです。これから先、ヘルスケア・少子高齢化分野にはITを使うことが絶対不可欠だろうと予測しています。そこからITを使って少子高齢化の問題解決に貢献していけるようなビジネスを創出していきたいなという思いが我々の中にもあったので、今回ITを駆使した少子高齢化・健康志向ソリューションというのをテーマとさせていただきました。

―― 正直な話、帝人と聞いて在宅医療というのはあまりピンとこないですね。

大崎さん 帝人は元々、化学メーカーとして繊維事業以外に医薬品事業に携わっているのですが、そのきっかけは骨粗鬆症という病気です。骨粗鬆症の患者さんはご高齢の方が多いこともあり、そこから高齢の方を支えていくというのを考え続けてきたという経緯があります。

―― そこが在宅医療サービスの契機だったんですね。

大崎さん そうですね。いかに健康な人と変わりない生活を送っていただけるのかをサポートすることも帝人が提供するサービスの価値だと思っています。在宅医療サービスを始めてからもう35年ぐらいは経っていますね。

―― そんな昔からやっているんですね!現在の具体的なサービス内容を教えていただけますでしょうか。

大崎さん 最近は「バイタルリンク」というシステムを作って導入しています。ここでは、主にご高齢の方を中心とする患者さんのバイタルデータを集めて、集まったデータを地域の医師や看護師、介護士と共有することで、その人に応じた治療・ケアの検討を行い、さらにはそこから病気の予兆を分析して、今後どうやって未然に防いでいくのかと言う部分を考えています。

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帝人とITビジネスの実態、将来

―― この「バイタルリンク」システムは最近話題のIoTに近しいところだと思いますが、IT分野は帝人にとって得意分野なのでしょうか。

大崎さん 繊維の領域やヘルスケア領域と比べるとまだまだ規模は大きくないのですが、インフォコムというグループ会社を中心にITビジネスもやっています。帝人と関わりのある大手企業が使うような情報システムビジネスや、ヘルスケアとの融合分野では病院で使うような情報システムビジネスといった部分は我々の強みだと考えています。

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―― なるほど。ヘルスケアのデータは帝人が持っているんですか。

大崎さん 病院で使われるシステムのデータは、病院の所有データなので、帝人が使うことができるデータではないんです。一方で在宅医療分野は患者さんのサポートのためのデータを持っていますが、個人情報保護の観点もあり簡単に使うことができませんでした。しかし今後はAIの普及やビッグデータの活用などを見据え、個人情報の利用に関する規制が緩和されたりしていますので、今後そこに大きなビジネスチャンスがあると考えていますね。

―― こうした最新のITを利用したサービスに高齢の方はあまり馴染みがないと思われますが……この点はどう思われますか。

大崎さん ITってことになるとハードルが高くなる部分はあります。だからこそ、みなさんには今のデジタル技術をもう一つ使えるものにするためのハードルをどう下げるかというのを考えて欲しいです。テレビのスイッチを入れる程度の使いやすさが実現できればいいですよね(笑)。

―― さらっと難題を出してきますね(笑)。けれど参加者の人も避けては通れない命題なのかなと思います。

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実態に即して、「自分ごと」として考えたプランを提案して欲しい

大崎さん 将来、自分がその立場となり、サービスを利用する世代になった時のことを考えてみてください。特に今は少子高齢化が急速に進んでいますが、これは若者にとって今後どういう問題になってくるでしょうか。

―― 身近な問題だと若者の負担増加ですか。

大崎さん その通り。支える世代が減少している中で今までと同じ形で金銭的にも労力的にも支えていこうとすると、いずれ破綻することは目に見えています。新たな仕組みを考えないと、今の高校生の人たちが大人になった時に、想像以上の負担となるでしょう。

―― 特に医療や介護の現場では人材不足が問題になって久しいですよね。

大崎さん 日本は特に先進国の中でも人口当たりの医師・看護師の数が極端に少ないです。だからこそ、少人数の医療現場でどう効率良くサポートをしていけるのか、地方の診療所の医師と、大手病院の医師をどう繋げるのかという部分などは、IT導入の価値が出るところだと思います。

―― このような問題は正解が一つではなく、取り組むのが難しい問題だと思うのですが、どうやって取り組むのがいいのでしょうか。

大崎さん 結局、自分ごとで考えるということだと思います。自分がその問題の中に入ったらどうなのかと。そうしたら自ずと、正解は一つだけじゃないかもしれないけど、こうしてほしい、ああしてほしいという思いが出てきて、それが一つの答えへと導いてくれると思います。

―― まさに今回の「MY REVOLUTION」ですね。最後に学生に向けたメッセージをお願いします。

大崎さん 例えば高齢化を考えるのであれば、自分たちが使い慣れているものをどう発展させれば、おじいちゃんおばあちゃんが助けられるのかということを、柔軟に考えて発想してほしいですね。加えて自分視点に立ちつつ、相手視点に立って誰のためのサポートなのかを考えることも大切だと思います。考える問題は君たち自身の未来の問題なのです。君たちの未来の社会を支えるソリューションを考えてください。斬新なアイデアが出てくることを期待しています。

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青野将大の取材後記

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少子高齢化が問題だと言われても、高校生の身の回りでその弊害を認識することはあまりないかもしれません。ですが将来間違いなく直面し、対処しなければならない問題です。「自分ごと」として悩みに悩み抜き出た結論はきっとキャリア甲子園で優勝に導くだけではなく、世界をあっと驚かせるソリューションとなるでしょう。是非ともより良い未来を実現する提案をしてください!

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