キャリアインカレ2017 学生取材シリーズ【JAL(日本航空)】

エアライン業界の中でも圧倒的な地位を誇るJAL(日本航空)。人々がJALに抱く信頼感や安心感は、実はJALの確固たる信念と長年培われてきた伝統から織り成されるものだと取材を通して分かりました。今回のキャリアインカレのテーマは、そのJALの「強み」が鍵になります。一体その「強み」とは何なのか? そしてなぜ「健康増進」なのか? その謎に迫ります!

お話をしてくれた方 今北恭平さん
JAL(日本航空)コーポレートブランド推進部 ブランド戦略グループ
今北さん大阪大学 経済学部経済経営学科卒業 2005年入社
航空券予約のコールセンター、羽田空港のグランドスタッフ、そしてカスタマーサポート、マーケティング業務などマルチな経歴を持つ。現在は飛行機に乗らない人も含めて広く社会の方々にJALの魅力を伝えるブランディング戦略が主な仕事。趣味はスポーツ観戦とランニング。最近は娘とお人形遊びやおままごとをして遊ぶことが多く、家庭的な一面も持っている。
お話を聞いた人 渡辺花菜絵
MY FUTURE CAMPUS学生スタッフ 早稲田大学 文学部5年生(単位不足の留年ではない)
かなえ大学では美術史を学び、3年生の時フランスへ長期留学をした。秋に友人と沖縄へ行くのだが、旅行の宿を決める際JALの先得プランを使用した。

運輸業とは? 目に見えないものを運ぶ仕事

―― 本日はよろしくお願いします! キャリアインカレ2017のテーマに迫る前に、まず「JAL=飛行機」というイメージしかないのですが、改めてJALという会社について知りたいです。

今北さん そうですよね。まずJALは1951年にできた会社で65年以上の歴史があります。戦後初の日本人の手による民間航空会社なんですよ。従業員数は3万3千人。国内だけでなく世界中に拠点を置くとても大きい会社です。渡辺さんの言う通り、航空会社として飛行機を飛ばすことがJALの基本的な役割です。業種としては運輸業で、公共交通機関の一翼を担っていると言えますね。運輸業・交通機関として、お客さまを安全に・時間通りに・快適に運び、さらにストレスフリーに運ぶため利便性向上にも常に取り組んでいます。しかし航空会社のイメージって、運輸業の側面よりも客室乗務員やグランドスタッフなどのサービス業のイメージが大きい部分もありますよね。しかしそれは、先にも言った安全性・定時性・快適性・利便性を重視した「運輸業」としての姿勢が基盤となっているのです。

―― たしかにサービス面に目がいきがちですよね。「運輸業」というのは、「人」を運んでいるという認識で合っていますか?

今北さん もちろんです。しかし人だけではなく「貨物=モノ」も運んでいます。例えば、地方で朝方に取れた野菜・果物・魚介類の食品が午後には東京のスーパーに並んでいる理由を考えてみてください。船やトラック車で運ぶこともできますが、鮮度を保つため・素早く消費者へ届けるためにスピード性の高い飛行機が使用されていることもあるんです。他にも、美術品を運ぶこともあります。海外の美術館に所蔵されている作品の展覧会を日本で開催する際も、JALが協力企業として関わることもありますよ。そう考えると「モノ」の観点を超えて「文化」を運んでいるとも言えます。人に関してもただお客さまを目的地まで運ぶだけではなくて、そこに秘められた人々の「思いや夢」も運んでいるんです。運輸業といっても、物質的なものだけでなく、目に見えないものも運んでいるんですよ。

―― そんな考え方があるんですね! なんだかロマンチックで素敵なお仕事だと思いました。他にJALが取り組んでいることはありますか?

今北さん 最近様々なエアライン会社が台頭してきたこともあり、一人でも多くのお客さまにJALを信頼してご利用してもらうための工夫を各方面で行っています。他のエアライン会社と差別化するために、例えば国際線では座席数を減らして、各席の足元の広さを拡大して快適な座席空間を機内に作ったり、国内線では機内でインターネットが無料で接続可能な環境を整えたりするなど、機能面での充実を図っています。また、「JALパック」という旅行事業や、ポイントを貯めるマイレージ事業など、エアラインに結びつく周辺事業にも取り組んでいます。「お客さまは何を求めているのか」という課題意識を常に持ち、自社の強みを活かした上で、他との違いを意識しながらJALならではの工夫に数多く取り組んでいます。

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「JALの強み」確固たる理念と哲学

―― 先ほど、「文化や思いや夢を運んでいる」と仰っていましたが、それはJALの企業理念のようなものなのでしょうか?

今北さん おっしゃる通りです。私たちの企業理念は、「JALグループは、全社員の物心両面の幸福を追求し、一.お客さまに最高のサービスを提供します。 一.企業価値を高め、社会の進歩発展に貢献します。」というものです。この企業理念は、朝礼や教育などあらゆる場面で唱和しています。ただ唱和しているということではなく、3万3千人の全社員が同じベクトルを向くための共通理念であり、確固たるものであるということです。二つ目は、「JALフィロソフィ」です。これは社員が持つべき意識、価値観や考え方を示したものです。このフィロソフィを学ぶ研修が3ヶ月に1回あり、全社員が受けているんですよ。

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―― JALフィロソフィは具体的にどういった内容なのでしょうか?

今北さん 内面的なもの、行動指針的なもの、そして企業経営としてのベースになるものなど、その中身は多岐にわたります。代表的なものとして「一人ひとりがJAL」というフィロソフィが挙げられます。3万3千人もの社員がいるJALですが、お客さまからみると一人の社員がJAL。そう考えると、一人の印象で3万3千人が集結したJALの顔・印象が決まるということになります。「一人ひとりがそれぞれ果たすべき役割を精一杯やり遂げることが、明日のJALにつながり、これからの新しいJALの歴史を創っていく」という意味が込められているんです。このフィロソフィを好きな社員は多いですね。しかし、こういったフィロソフィはあくまで基盤であって、これ自体は主役になりません。この理念やフィロソフィを基盤として最終的に形になるのが事業戦略なんですよ。

―― なるほど。その形となったJALの事業戦略と今後の方針はどういったものが挙げられますか?

今北さん まず、今述べた基盤である企業理念を実現するというのが一番のポイントですが、さらに現社長の植木の言葉である「世界で一番お客さまに選ばれ、愛される航空会社」であり続けることも、我々が大切にしていることです。選ばれて、さらに愛されるというのは、お客さま数や売り上げで1位になるということではなく、質を大切にするということです。飛行機を利用してもらったときに、「乗ってよかったな」と思っていただいたり、感謝の言葉をもらえることが愛されるということだと思っています。飛行機に乗らなくてもJALに対して良い印象を持ってもらうことももちろんそうです。そのように「愛される航空会社」であり続けるために、「1.世界のJALに生まれ変わります × 2.一歩先を行く価値を創ります = 3.常に成長し続けます」という戦略を掲げています。具体的には、今の中核である航空事業に磨きをかけることです。ただしそれだけではなくて、事業領域を広げていかなければならないという課題もあります。先ほども言った、航空事業に近い事業はもちろん、異なる新領域にも広げていく必要があるのです。

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JALの社会課題解決の姿勢

―― 今回のキャリアインカレのテーマは、その新領域の事業を意味しているのでしょうか? テーマ設定の背景と意図をお聞かせください。

今北さん まず端的に設定背景を言うと、会社として真剣に取り組まなければならない課題であるという意識があるからです。会社の中で社員が考えるのももちろんですが、学生の視点で生まれる新しい切り口の考え方と答えを知りたいという思いがテーマを設定した背景にあります。
そして「JALの強み」に関しては、人それぞれ感じる強みは違うはずです。そもそもJALの強みは、長年培ってきた伝統からも抽出されます。伝統って常に変わらないモノというイメージがありますが、そうではありません。時代変化に対して柔軟に対応していく中で、最終的に積み重ねられていくもののことなんです。会社設立以来、65年以上に渡るJALの軌跡の中で、積み重ねられた一人ひとりの社員の意識と行動が強みとなっています。さらに伝統だけにこだわらず革新的なことに挑む先進性も強みですね。先ほどの機内サービスの差別化を図っているのもその一環です。そう考えると今回のテーマである「JALの強み」というのは、人それぞれの考えが挙がってくるのではないかと思います。どれが正解でどれが間違いとかではないんです。それぞれ違う強みでも、そう思う根拠がしっかりあるはずなので、皆さんが考える強みを是非考えて欲しいですね。

―― たしかに、様々な側面でJALの強みを挙げることができそうですね。一方「健康増進」というテーマですが、なぜ「健康」というジャンルにしたのでしょうか? 正直JALと健康って意外でした。

今北さん なぜ「健康」かというと、企業理念を実現するためです。企業理念の一つに、「企業価値を高め社会の進歩発展に貢献します」がありますが、社会の進歩発展とは、社会をより良くするということであり、「健康」とは老若男女すべての人に当てはまる、まさに社会をより良くするテーマだと思っています。「増進」というのはネガティブなものをただ改善していくということだけではなく、より良い生活を健康面から提供していきたいという思いにも繋がっています。毎日健やかに過ごしたい、今より健康な肉体でいたいなど、人それぞれの思いを「健康」という観点から貢献していきたいのです。そういった意味で「健康増進」というのは、国籍・年齢・性別問わず幅広い人へ共通する社会課題なので設定させてもらいました。取り組む際はターゲットをどこにおいても良いです。逆にターゲットを絞らないと中途半端なものになってしまうので、自由な範囲の中でしっかりとターゲット設定をしてほしいですね。

―― 「社会の進歩発展に貢献」とのことですが、今現在JALが取り組んでいる社会課題を解決する事業はありますか?

今北さん 運輸業・交通機関である以上、誰もが飛行機に乗れて移動できる環境をご提供したいと考えており、様々なサービスがあるんです。例えば「バリアフリー」対応の一環として、車椅子をお貸ししたり、専用カウンターを設けてゆっくりと手続きをしてもらうなど。また食物アレルギー対応のツアーも提供しています。また、お客さまの年齢を考慮したサービスもあるんですよ。たとえば、飛行機って国内線は6歳から一人での搭乗が可能なのをご存知ですか? JALではお客さまが安全にご利用いただけるように、機内と空港の双方で客室乗務員とグランドスタッフによる万全なサポートを整えているんです。様々なお客さまのことを考え、誰もが飛行機を利用しやすいように取り組むことを大切にしています。
一方、今回のテーマである「健康増進」に関わる事業としては、すでに機内食において取り組みを実現しています。ベジタブルミールを出したり、アレルギー対応の食事を出したりといった内容ですね。

―― エアライン業界ならではの社会課題の解決方法ですね。学生の皆さんも今回のテーマについて具体的なイメージがしやすくなったと思います。
それでは最後に、学生へメッセージをお願いします!

今北さん 学生ならではの、既存の概念に囚われない自由な発想を期待しています。コンテストなので上に行くこと・1位になることももちろん大事です。しかしその過程にあるチーム内の活動や、その中での自分の役割など、新しい自分と可能性を発見する経験も大事にしてほしいです。目に見えない価値を発見する機会ですからね。
あと去年参加した時、参加者の方々のひたむきな姿に感動したんです。今年も、そういった学生さんの真剣で素敵な姿をたくさん見られるのを楽しみにしています。

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渡辺花菜絵の取材後記

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いかがでしたか? JALといったら圧倒的に信頼できるエアライン会社というイメージがありますが、そう思う背景にはJALの社員さん一人ひとりによる確固たる意志と行動があったからなんですね。また、「健康増進」というテーマに違和感を覚えた人も多いかと思いますが、「社会課題に貢献したい」というしっかりとした狙いがあってこそなんだと納得しました。とてもやりがいのあるテーマです。学生の皆さん頑張ってください!

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