キャリア甲子園2017 学生取材シリーズ【バイエル】

「アスピリン」などの薬で知られるドイツ発の薬品および農業関連事業のバイエル。150年以上の歴史を持ち、多国籍企業としても知られているバイエルから、今年は「多国籍企業の中でグローバルに活躍する人材を日本から輩出するためのInnovationを考えよ。 Passion to Innovate | Power to change」というテーマをいただきました。日本から将来世界に大きなインパクトを与え得る人材を数多く輩出するためには何が必要なのか。この壮大なテーマを選ぶに至った背景を中心に、実際にグローバルで活躍されているお二人にお話を伺ってきました。

お話をしてくれた方 丸山佳子さん
バイエル ホールディング株式会社 人事本部 タレントマネジメント 部長
丸山さん2001年入社 英国ロンドン大学 教育研究所卒業
日系・外資系企業を3社経験した後にバイエル入社。趣味はラグビー観戦、最近関心があることは2019年のラグビーのワールドカップ。
お話をしてくれた方 柿原梨那さん
バイエル ホールディング株式会社 人事本部 日本バイエル タレントアクイジション マネジャー
柿原さん2010年入社 慶應義塾大学 法学部法律学科卒業
新卒でバイエルに入社し、日本やドイツでマネジメントサポートや広報など様々な職種を経験したのち人事本部へ。趣味はキックボクシング。
お話を聞いた人 徳永唯希
MY FUTURE CAMPUS学生ライター 東京工業大学 理学院化学系エネルギーコース 修士2年
徳永高校生の時は英語が一番の苦手科目だったため海外への苦手意識が強かったが、大学内の留学生団体に所属し国際交流に目覚める。来春より外資系企業に就職予定。

未来の日本人リーダーへの期待

―― まず今回のテーマを設定いただくに至った経緯をお聞かせください。

丸山さん 昨年私たちバイエルがキャリア甲子園で設定したテーマは比較的課題が明確なものであり、参加チームの皆さんからも非常に面白い提案をいただき、おかげさまで総合優勝チームを出すこともできました。
今年は、せっかく人事に携わる私達がこのプロジェクトを主導することになったので、高校生の皆さんが将来ビジネスパーソンになった時に、世界でリーダーシップをとる存在、インパクトを及ぼせる存在になってほしいという願いを込め、将来皆さんがそんな存在へと成長していけるよう、社会の入り口に立った時に役立つ機会を提供したいという思いでテーマを設定しました。

―― テーマにはグローバル人材を日本から輩出するとありますが、「日本からのリーダー」という点にはこだわりはありますか?

丸山さん やはり、日本から世界をけん引する存在が、もっともっと出て行ってもらいたいですね。世の中はものすごいスピードで変化し、多様化も進んでいます。以前であれば先進国主導でさまざまな事が進んでいましたが、いまや新興国の成長も目覚ましく、さらに多様化する価値観やニーズを理解できる存在が求められています。そんな時代だからこそ、より一層、日本発のグローバルリーダーの輩出に貢献していきたいと思っています。

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―― テーマのキーワードである「多国籍企業」の考え方や概念についても教えてください。

丸山さん テーマに多国籍企業と入れたのは、バイエルが多国籍企業だからというのも、もちろんあります。今後世の中が市場や消費者の動向等もふくめ、ますます多様化していく中で、多国籍企業であればそうした変化にも柔軟に対応できるはずだというのもあります―もともと年齢や国籍、性別などに関わらず多様性を受け入れる文化があるはずですから。そしてやはり多国籍企業だからこそ、スケールメリットを生かして世界にインパクトを与える仕事ができるということもあります。たとえばバイエルで働くということは、農業や食糧安定供給といった問題、あるいはヘルスケア、医療といった観点から、生命の根幹に関わる地球規模の課題に挑むことにも繋がっていくので、“多国籍企業”と入れることで、より大きなスケールで、テーマに取り組んでもらえるのではないかと考えました。

柿原さん 多国籍企業とグローバル企業がどう違うのかといった事を含め、あまり言葉にこだわる必要はありません。私たちの考える多国籍企業を一言でいうと、コアバリューを共有しつつ、それぞれの国や地域の現地法人に、それぞれの顧客に対してベストなサービスや製品を提供する権限と自由が与えられている企業―それが多国籍企業です。
おそらく高校生の皆さんが社会で活躍する時代にはボーダレス化が進んで、世の中には多国籍企業以外はなくなるのではないか、とさえ思います。別の言い方をすると、多国籍企業でないと、なかなかうまくいかなくなってくるとも言えるかもしれません。そういう意味でも、ここで一度多国籍企業について考えてみるのも良い機会ではないでしょうか。

グローバル≠英語、世界で活躍する上で本当に大切なことは何か。

―― 「イノベーション」という言葉に対して、どこからがイノベーティブでどこからがイノベーティブじゃないと判断されるのでしょうか?

柿原さん 明確な線引きはありません。イノベーションを私たちは「価値をもたらす新しい何か(something new creating value)」と考えています。バイエルにおけるイノベーションは、決して研究や開発に携わる人間だけが考えるものではなく、働く人全てに求められています。例えば私たちのような管理業務を行う部署も、新しいやり方を試してはそれが新しい価値に結びつくかを試行錯誤する、ということを日々実践しています。簡単なことでも、今までとは異なる発想や考え方から新たな価値が出てくることもあります。イノベーションに決まったやり方やルールはありません。そこが面白いところだと思います。

―― 例えば単純にグローバル化に向けて英語を勉強しなきゃいけないというのがあったとして、その勉強法がイノベーティブだったらイノベーションですか?

柿原さん もちろん、それもイノベーションですよね。

丸山さん 英語の話が出たので一つお伝えしておきたいことがあるのですが、多国籍企業の中で活躍する人材を輩出するにあたって英語は確かに必要ですが、語学はあくまで基本ツールの1つであって、その能力ばかりが重要というわけではありません。むしろ自分とは異なるものに対する理解や多様性を尊重する感性と、そうした環境下でより良いものを作っていこうとする前向きな姿勢が大切です。

柿原さん 今回のテーマが、日本で生まれ育って日本人の友達しかいない人には難しいかというと、決してそんなことはないはずで、まずは食わず嫌いをせずに取り組んでほしいです。若い時の方が失敗できるし、失敗することで、自分とは異なる価値感や人の思いやりを実感できたりもする。殻を破って他者から学ぼうという姿勢を持っていれば、将来どんな環境に入っても、大きな苦労はしないのではないでしょうか? グローバルで活躍している人とは、そういう目線を持っている人かもしれませんね。例えば異なる考え方、異なるバックグラウンド、異なる目的意識を持っている人が集まるチームで、同じゴールに向かって一緒に何か作り上げないといけない状況に置かれた場合も、まず疑いから入らないこと。互いに尊敬の念を持ち、多様性を尊重することが大切です。これはキャリア甲子園に参加する皆さん、チームにとっても大切なことではないかとも思います。

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大切なのは「本当に社会に貢献できるか」という尺度

―― テーマスポンサーであるバイエルという会社の風土や価値観も知っておきたいのですが特色などはありますか?

柿原さん 今回、テーマのタグラインに英語で“Passion to Innovate | Power to Change”と入れさせていただきましたが、これは一般にエンプロイヤー・ブランド(雇用主としてのブランド)と呼ばれているものです。日本ではまだまだ馴染みが薄いかもしれませんが、外資系企業を中心に、企業のミッションや製品等のブランドとは別にエンプロイヤー・ブランドを掲げる企業も増えてきています。簡単にいうと、働く場としてのバイエルを表す世界共通のスローガンで、実はバイエルでは日本語版 “革新への情熱を持つあなたへ | 未来を変えていく力を”も用意しているのですが、要は“イノベーションを実践する情熱があるならば、わくわくしながら挑戦し続けられる場を提供します”という、会社から従業員への約束なのです。私達のビジネスは、人・植物・動物という命に関わるものです。Science For A Better Life(より良い暮らしのためのサイエンス)をミッションとするバイエルでは、人々のより良い暮らしをイノベーションで支えたい、助けたいという思いで、中・長期的目線に立ってビジネスを展開しています。こうしたビジネスの根底に流れる考え方に共感できる人が集まっているのがバイエルの風土、とも言えるかもしれません。

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―― 昨年に引き続き社会的意義のあるテーマが選ばれているのも、そんな視点の表れかもしれませんね。最後に高校生の皆さんに一言メッセージをお願いします。

丸山さん もし皆さんが将来、世界に何らかのインパクトを与えられる自分になりたいと思っているなら、ぜひこの機会を、そのビジョンを具体的に考えるきっかけにしてほしいと思います。この課題に取り組む中で、今まで知らなかったり、考えなかった事に出会うかもしれませんが、そこから今まで無かった新しい価値観を見つけだし、その先で、皆さんが人生の目的のようなものに出会ってもらえたら本望です。

柿原さん このテーマは高校生の皆さんにとって、仕事をする、しないに関わらず、近い将来必ず考えなくてはならないことだと思っています。私たちも企業として、グローバルリーダーを日本からより多く輩出できるアイデアを求めていて、良いアイデアがあれば、実際に取り組んでいきたいと考えてもいます。イノベーションやグローバルあるいは多国籍といった言葉に、あまり引っ張られ過ぎないでください。自由な発想から出てくるもの、それこそがイノベーションなので、未来の自分を思い浮かべながら頑張ってください。

徳永唯希の取材後記

日々なんとなく耳にするグローバル化。現時点で海外経験があったり、多国籍な環境にいる高校生の方はもちろん、高校生の頃の私のように、家族も友達もほとんど日本人という方にもぜひこのテーマに取り組んで、自分の将来を考えるきっかけにしていただきたいです。新しい環境に飛び込むことが大切というお話しもありましたが、キャリア甲子園という新しい挑戦も高校生のみなさんを一歩前進させる場になると思います。みなさんのご応募お待ちしております。日本からリーダーを輩出していきましょう!

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