【4省庁一斉インタビュー!】官庁内でも急速に取組が進む、IoTやAIを駆使した第4次産業革命とは?

あおの

今や日常生活においても、急速に存在感を高めているIoTやAI。省庁においてもこれらの技術を使った「第4次産業革命」の今後の可能性に着目し、様々な取り組みを実施しています。今回は4省庁の理系出身の国家公務員の方々に、各省庁における具体的な実施、普及状況、そして未来像について語ってもらいました。あらゆる分野における産業革命の波、その根底にある土台とは何か、非常に面白い話を聞くことができました!12/1の「国家公務員仕事研究セミナー」にもつながるお話になっていますので、興味がある理系学生の方はぜひ
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登場人物紹介

増子さん総務省 国際戦略局技術政策課研究推進室 これまでに電波政策課、通信規格課、データ通信課、移動通信課といった通信分野の業務を歴任。現在の部署にて多言語音声翻訳技術の研究開発ならびに社会展開の推進に力を入れている。

邉田さん文部科学省 研究振興局参事官(情報担当)付 入省後は大学設置認可、原子力防災、震災対応、海洋科学技術の研究開発・振興業務など幅広い分野を見てきた。現在は人工知能などの基礎研究の振興に関連する業務を中心に行っている。

菅野さん経済産業省 商務情報政策局総務課 国際室 入省後はエコポイント制度運営、資源・エネルギー庁、製材産業局を経験。2年間のアメリカ留学を経てAI関連施策の立案ならびに国際連携に関する業務に現在従事している。

諸橋さん国土交通省 大臣官房技術調査課 入省後は中国地方の河川事務所にて河川管理を中心とした設計業務に従事。現在は土木現場へのICT全面活用を目指す「i-Construction」の取り組みに携わっている。

あおのMFC学生スタッフ3年目。東京大学大学院の修士1年生。研究室にはドローン、深層学習をはじめとするIoT, AI分野の研究をする学生が多数在籍。自身はチョコレートの研究をしている。

IoT, AIの普及にも耐えうる通信基盤の構築、連携可能性の模索の必要性

内閣人事局

あおの

まずは総務省に所属する増子さんからお願いします!現在総務省では、今回のテーマである「IoT」「AI」「第4次産業改革」をどう推進するべきかと考えていますか?

増子さん

政府として打ち出しているSociety5.0の実現に向け、IoTやAIが「あたりまえ」のものとして社会に浸透してきていることを感じており、この流れをさらに促進すべく上記分野の技術開発や基盤整備業務を主に取り組んでいます。

あおの

具体的にはどのように進めているのでしょうか?

増子さん

IoTやAIの進展に必要な「より高速かつ大容量」などの通信に対する要求に対応するため、通信基盤技術としてICT技術の開発を実施しています。これにより、「役に立つ」通信基盤の構築を通じて、IoTやAIなどの利用環境整備を実現することを総務省の役割として取り組んでいます。

あおの

その中で増子さんご自身はどのような目標を設定しているのでしょうか。

増子さん

やはりICTの開発・普及の推進という部分ですね。ひとの暮らしの基本たる「衣・食・住」において誰もがより自然にICTを使うようになれば、社会全体の効率が向上し世の中がより良くなるものだと考えて業務に取り組んでいます。現在取り組んでいる、多言語音声翻訳技術で「言葉の壁」をなくしていきたいと考えています。

科学技術の振興を促すような日本の研究者を増加させ、支えるという仕事

内閣人事局

あおの

続いて文部科学省に勤めている邉田さんです!文科省でAIやIoT技術の構築を達成するために、どのような取り組みをしているのでしょうか。

邉田さん

文部科学省では現在AIP(Advanced Integrated Intelligence Platform Project)を推進しています。主に以下の2つの取組に分類できます。

1.AI技術の先端研究開発拠点として理化学研究所に革新知能統合研究センター(AIP センター)を設置し、次世代のAI技術の創出を目指した基盤的研究や、AI技術の活用によるものづくり等の日本が強い分野の伸長と防災等の社会的な課題の解決に向けた目的指向の研究、AIに関するELSI研究の実施
2.研究者の裾野を広げるための取組として、科学技術振興機構(JST)の戦略的創造研究事業のうち、AI技術等の分野に係る研究者の独創的な発想や新たなイノベーションを切り拓く挑戦的な研究課題の支援

また他にも小学校から大学・大学院の各教育段階において、Society 5.0時代を支える人材を創出するための、情報教育、数理・データサイエンス教育の強化に関する取組も実施しています。

内閣人事局

あおの

この取り組みを進めるにあたって特に考えるべき部分はどこなのでしょうか。

邉田さん

国内外の技術動向や教育現場における課題・潜在的なポテンシャルをしっかりと把握し、教育・研究環境を整えながら柔軟に社会的ニーズに対応していくことが必要です。一方で研究者の挑戦を積極的に促すためには最低限の生活を保障する必要性について重視すべきで、文科省に入ってからその部分は特に大切にすべきだと思うようになりました。

あおの

では今後より一層加速・一般化するこれらの分野に携わる公務員に求められるのものとは何だとお考えでしょうか。

邉田さん

産業社会から情報社会に移ったときのように、これらの分野の技術が進展していく中で社会の在り方そのものが変化していく可能性があります。前例から政策的な最適解を導くことがそれこそAIに代替されると考えれば、多様なステークホルダーと新しいものを共創する資質が公務員にも求められるようになると思いますね。

建設現場の効率化、魅力向上を推し進める。

あおの

では、続いて国土交通省の諸橋さんよろしくお願いします。国土交通省ではAIやIoT技術のという分野で現在どのような取り組みをしているのでしょうか。

諸橋さん

一例として、弊省では、建設現場の生産性向上を図る「i-Construction」という取組を行っており、その取組の中で、ICTを活用した自動制御可能な機械施工の普及等を行っています。

あおの

確かに建設現場でも生産性向上が必要そうですね。

諸橋さん

調査から測量・設計・施工・維持管理までのあらゆるプロセスでICT等を活用し、生産性向上を図るとともにAIやIoTなどの技術の導入、活用を進めることで生産性の向上はもちろんですが建設現場自体の魅力向上も目指しています。

あおの

なるほど。国土交通省にとってこの「IoT」「AI」「第4次産業革命」という事柄に向き合うことはどういった意味をもっていますか。

諸橋さん

日本は現在、人口減少社会を迎えていますが、潜在的な成長力を高めるとともに、新たな需要を掘り起こしていくため、働き手の減少を上回る生産性の向上等が求められています。

また、国土交通省が所管する建設業や運輸業、自動車業等の各産業の中長期的な担い手の確保・育成等に向けて、働き方改革を進めることも重要であり、この点からも生産性向上が求められています。国土交通省では、このような社会情勢と第4次産業革命等の流れを踏まえ、生産性向上に向けたIoT、AIの活用は非常に重要であると考えています。

あおの

邉田さんにも伺いましたが、IoT、AIといったものが進行する中で、今後国家公務員に求められるものがあるとしたら何だと思いますか?

諸橋さん

新しい技術を現場で取り入れやすくするような環境整備を、より一層スピード感を持って進めていく行動力と決断力、そして従前どおりのやり方にとらわれず、新しいものを積極的に取り入れていく柔軟性と発想力が一層必要となってきていると思います。

内閣人事局

全てが繋がる。”Connected Industries”の推進

あおの

それでは経済産業省の菅野さんにお話しいただこうと思います!日々発展するAIやIoTに対して日本社会、そして経済産業省が求められているのはどういうことでしょうか?

菅野さん

日本としては、IoTやAIといったデジタル技術が今後もたらすであろう社会や経済の破壊的変化に対して、迅速に対応する必要があると考えます。そのためには企業、研究機関、政府の連携がこれまで以上に重要となっており、その中で経済産業省はConnected Industriesなどの施策を軸に、産学官の連携強化のハブとなる必要があると思います。

あおの

今お話に上がったConnected Industriesについて詳細を説明いただけますか?

菅野さん

Connected Industriesは、先端技術によって企業、産業、国家を越えてデータをつなげ、有効活用することにより、新たな製品、サービス、価値を生み出し、世界の抱える様々な課題を解決することを目指しています。

具体的には、自動運転・モビリティサービス、ものづくり・ロボティクス、プラント・インフラ保安、バイオテクノロジー、スマートライフを重点分野として、産業内、また産業間のデータ連携の推進や、多くのデータを保有する大企業とAIベンチャーとの連携支援等を行っています。また、国内にとどまらず、デジタル技術、イノベーションについては国際連携も強化しています。

あおの

繰り返しの質問となりますが、IoTやAIといった技術が一般化するにあたり、これらの技術を利用した分野に関わる公務員にはどのようなことが求められるのでしょうか。

菅野さん

技術的な理解力に加えて、幅広い分野の動きをフォローするアンテナの高さ、これまで以上の迅速な意思決定判断が求められるところだと思います。AI、IoTに関する政策を検討する上では、国際的視点も必要不可欠であり、国際感覚を持ちながら、日本として進むべき道を発想できる力が必要だと思います。

内閣人事局

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