インバスケット思考を活用しよう!タスク管理のコツを身につける方法

「やりたいことが多すぎて、優先順位をどうつけていいかわからない」「アルバイト・サークルと学業の時間管理が難しい」と感じることはありませんか?

要領が良い人の中には、日々のタスク管理にインバスケット思考を用いている人も少なくありません。インバスケット思考は、学業やアルバイト・サークル活動はもちろんスキルアップのための勉強や家庭で起こるこまごましたタスクの管理などにも応用できます。

インバスケット思考はいわば物事の優先度を決めるコツのようなものであり、慣れれば誰でも使える便利な思考法とも言えます。ぜひインバスケット思考を習得しましょう。

インバスケット思考とは

インバスケット思考は、物事やタスクを素早い判断で処理するための思考法のひとつです。タスク処理をスピーディに行うと同時に、タスクの品質をできる限り高く保つことも重視されます。日々の勉強の計画を立てるときにインバスケット思考を取り入れれば、自然と効率アップにつながるでしょう。

インバスケットの意味

インバスケット(in-basket)は、もともと「まだ処理されていない書類が入った未処理箱」を意味する言葉です。これが転じて、架空の人物になりきって制限時間内にできるだけ多くのタスクを高精度で処理するバーチャル・ビジネスゲームをインバスケットと呼ぶようになりました。

インバスケットは1950年代にアメリカ空軍の訓練の一環として導入されて以来、ビジネスシーンにおける教育・研修ツールとして広く使われています。それに伴って、インバスケットの手法を応用したインバスケット思考もまた広く知られるようになりました。社会人の仕事はもちろん、学業・アルバイト・サークル活動・就職活動などで忙しい学生のスケジュール管理にもインバスケット思考が役立ちます。

インバスケット思考のポイント

以下はインバスケット思考の基本的な流れと、インバスケット思考を行ううえで重視すべきポイントです。

評価基準はプロセス

インバスケット思考において、「これが正しい」というはっきりした正解はありません。その代わりに自分がそう考えるに至った根拠をきちんと示せるか、論理的に説明できるかどうかが重視されます。仮に複数の人が同じ回答をしていても、その答えに至るまでのプロセスが違えば評価もおのずと異なってきます。

緊急度と重要度

インバスケット思考では、まず現在抱えているタスクを残さず洗い出します。その後、それぞれのタスクの緊急度・重要度を整理して優先度を決めていきます。

学業やアルバイト・就職活動などに関わるタスクだけでなく、これらの活動との関連性は低いものの頻繁に行っていることや今後のスキルアップで必要とされること、重要度が高いと自分で思っていることなども一緒に洗い出します。

例えばあなたが就職活動中の学生だと仮定して、今週下記のタスクを抱えているとしましょう。

①企業からの面接日程調整メールへの返信(返信期限:本日中)
②レポート作成などに使うノートパソコンの修理・買い替えの検討
(期限は特に決まっていないが、最近調子が良くない)
③学内サークルにおける定例ミーティングの議事録作成(作成期限:明日まで)
④ゼミ旅行参加・不参加の連絡(連絡期限:1週間後まで)

この場合、最も優先度が高いタスクは①と考えられます。返信が必要なメールを長期間放置しておくと、企業からのあなた自身の評価が下がるばかりか所属しているゼミやもし先輩などに紹介してもらった企業であればその先輩の評価まで下がってしまう恐れもあります。返信期限も本日中に指定されているので、すぐに対応すべきでしょう。

②は特に期限が決まっていないものの、万が一ノートパソコンが壊れたらレポートや就職活動用の書類を作れなくなる恐れがあります。そのため、あまり後回しにせずなるべく早く対応するのが望ましいでしょう。

③は「明日まで」の期限がついているものの、学業や就職活動などに直接関わるタスクではありません。もし他に優先すべきタスクがあれば、サークルのメンバーに事情を説明して期限を延ばしてもらうこともできるでしょう。④は学業そのものに直接関わる内容ではなく、期限もそれほど差し迫っていないので、ひとまず後回しにしても良いでしょう。

マトリクスを使って優先順位を整理

タスクが増えすぎて優先度がわかりにくくなった場合や、どのタスクを優先すべきか迷った場合は、時間管理マトリクスを使って整理してみましょう。各タスクをマトリクス上で分類していくと、タスクの優先度を直感的・視覚的に把握しやすくなります。

時間管理のマトリクスにおいて、全てのタスクは以下のいずれかに分類することができます。

第1領域…緊急度・重要度がともに高い
第2領域…緊急ではないが重要度が高い
第3領域…緊急だが重要度が低い
第4領域…緊急度・重要度がともに低い

全てのタスクを整理したら、第1領域→第2領域→第3領域…の順に処理していきます。緊急度に気を取られてつい第1領域→第3領域の順になりがちですが、緊急度と重要度の両方を踏まえたうえで優先度を決めることが重要です。

第2領域を意識して、パフォーマンスを上げる

有名なビジネス書「7つの習慣」の著者であるスティーヴン・R・コビーは、仕事全体のパフォーマンスを高めるために日頃から第2領域のタスクに意識して取り組むべきだと述べています。もちろん、このことは社会人だけでなく学生にも当てはまります。普段かあら第2領域のタスクを意識する習慣をつければ、日々の活動をより効率よく進めることができるでしょう。

先ほどの例では、定期的に発生するが重要度が低いミーティング議事録作成は第3領域に、期限は決まっていないがなるべく早く対応すべきノートパソコンの修理・買い替えの検討は第2領域に相当します。第1領域のタスクである面接日程調整メールへの返信を済ませたら、早めにノートパソコンの修理・買い替えの検討に取り掛かるべきでしょう。

現在の学業やアルバイト・就職活動などに直接関わるタスクのほか、これらの活動の作業効率を上げるのに役立つ物事や将来の学業・仕事などに役立ちそうな物事も第2領域に当たります。例えばゼミ・サークル内やアルバイト先での人間関係の構築、スキルアップのための勉強、自身の健康管理などが相当します。

緊急性が低く誰かから指示・依頼される機会も少ない第2領域は、つい後回しになることも多くあります。しかし目先の予定に目がくらんで第2領域を軽視してしまうと、後で思わぬ影響が出ることもあります。

例えばアルバイト先での人間関係を良くする努力を全くしないと、万が一アルバイト中にトラブルが起こっても仲間からの協力を得にくくなるかもしれません。同時にアルバイト先で過ごす時間を楽しめなくなり、アルバイトへのモチベーションもどんどん下がってしまうでしょう。

また、健康への配慮もとても重要です。忙しい学生の中には、睡眠時間を削りすぎたり外食やインスタント食品ばかり食べたりする人も少なくありません。しかし、健康を損ねてしまうと大学生活どころか命に関わる事態を招く恐れもあります。

第3領域も軽視せず、内容・期限を明確に

優先度が低いがいつかはしなければならない第3領域のタスクは、言い換えれば先送りするほど優先度が上がりやすくなるタスクでもあります。

上の例では、ゼミ旅行についての連絡も第3領域に相当します。このタスクはミーティングの議事録作成より緊急度が低く、また重要度も低いため、上述のタスクの中では最も優先度が低くなります。

しかし優先度が低いからといってずっと放置しておくと、ある日突然「宿泊予約の都合があるから、必ず今日の正午までにゼミ旅行への参加・不参加を連絡してほしい」と催促されるかもしれません。そうなると午前中に急いでスケジュールを確認して参加・不参加を決めなければならなくなり、優先度が高い他のタスクを中断せざるを得なくなるかもしれません。このようなトラブルを防ぐために、優先度が低いタスクもきちんと内容・期限を見える化しておくよう心がけましょう。

第4領域には、目的もなくただダラダラ過ごす時間や無意味な活動などが相当します。作業効率を上げるためには、こうした無駄を見える化してできる限りなくしていく努力も欠かせません。

タスクの裏の問題を見つけ出し、解決策を探る

特定のタスクが頻繁に起こる場合、その背後に何らかの問題が隠れていることが少なくありません。未来のタスクだけでなく過去のタスクもマトリクス上に書き出してみることで、今まで見過ごしてきた問題を見つけやすくなります。

例えば過去1ヶ月のマトリクスに「ノートパソコンの修理」が何度も登場した場合、ノートパソコン本体が老朽化している可能性が高いです。この場合はノートパソコンを新品に買い替えることでトラブルへの対応に時間と手間を割く必要がなくなり、作業パフォーマンスを大きく上げられるでしょう。すぐにノートパソコンを買い替えられなければ、メンテナンスの回数を増やすなどの対処が必要になるでしょう。

日々の学業やアルバイト・就職活動などにおいてインバスケット思考を最大限に役立てるためには、ただタスクの優先度を決めて作業するだけでなく余計なタスクを引き起こす問題がないかどうか意識することも大切です。

作業効率アップと、問題解決に役立つインバスケット思考

もともとバーチャル・ビジネスゲームの手法として普及したインバスケット思考は、限られた時間内でより多くのタスクを効率よくこなすのに役立つ思考法のひとつです。インバスケット思考では、洗い出したタスクの優先度を緊急度・重要度を軸にして決定していきます。

タスクが多い場合や優先順位の判断に迷った場合は、時間管理マトリクスを使って整理することで視覚的・直感的に把握しやすくなります。タスクの緊急度ばかりに惑わされるのではなく、たとえ緊急度が低くても重要度が高いタスクを常に意識することで、将来的に作業効率や利益を上げるのに役立つでしょう。

インバスケット思考は、タスクの裏に隠れた問題をあぶり出して解決策を探るためにも役立ちます。インバスケット思考を用いて現在置かれている状況を整理し、無駄なタスクの元になっている問題を見つけ出し解決することで、余計なストレスを減らして時間をより有効に活用できるでしょう

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