【キャリアインカレ2018】2030年、日常のお困りごとを解決するセコムの新たなサービス事業を提案せよ!

セキュリティサービスの国内トップ企業であるセコムでは、安全と安心をテーマに幅広い事業を展開しています。今回、そのフィールドをさらに広げる斬新なアイディアを求めている背景を聞いてみました。

お話をしてくれた方 沙魚川久史さん
セコム株式会社 本社企画部
profile_jal1976年生まれ。研究開発や技術戦略などを経て、現在はコーポレートプランニングを担当する。並行してイノベーション強化に向け、社会連携アイディアソン「セコムオープンラボ」を主宰。東京理科大学総合研究院客員准教授・各種研究職を兼任する。

学生ならではの課題感で、未来を語ってもらいたい。

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―― 今回のテーマの設定理由を教えてください。

沙魚川さん:近年、セコムではオープンイノベーション活動に取り組んでいます。セコム内外の多様な物事を取り入れていくことで、新しい価値、新しいサービスの創造を加速しようとしているのですが、その一環として2016年から「セコムオープンラボ」を開始しました。業種業界を問わない企業や研究者、専門家が、世代を超えて2~3か月に1度のペースで集結するデザインシンキング型ワークショップで、少し先の未来に必要なサービスの形を議論しています。

多様なマインドセットで議論することを大切にしているので、社会人に混ざって学生たちが参加することもあるのですが、改めてこの機会に、未来の社会を担う学生たちだけを対象に、セコムという題材を使ってどういう未来の課題感を表現してくれるのか、意見を聞いてみたいと考えました。

―― 未来を「2030年」に設定した理由は?

沙魚川さん:昨年、創業55周年を機に、2030年に向けた「セコムグループ2030年ビジョン」を策定したのを受けてのことです。「変わりゆく社会に、変わらぬ安心を。変わり続けるセコム。」をメッセージの一つとして、社会の不確定要素が高まり、社会が抱える課題が複雑化・複合化していく中で、今から10数年後、セコムはどういうサービスを提供するべきか、そのために今から何を準備するべきかを考えていこうという姿勢を打ち出しています。

「2030年ビジョン」にもオープンイノベーションの考え方は色濃く反映されています。セコムの持つ社会とのつながりを軸に、社会にかかわるみんなでパートナーシップを発揮して、新しい価値を生み出していこうとしているのです。

―― 2018年春のMFC大学園祭でも同様のテーマで学生がプレゼンしたとお伺いしました

沙魚川さん:そうなんです。新しい時代を担うのは学生たちですから、学生たちが創る未来の話を聞いてみたいという思いがありました。大学園祭は1dayでしたから限られた人数の大学生しか参加できなかったものの、それでも新鮮な意見や議論が繰り広げられ、開催した意義があったと感じました。

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―― 学生からはどんな意見が出てきましたか?

沙魚川さん:2030年と言えば、今の大学生がミドル世代にさしかかる時代です。2030年にどんなニーズがあるのか、大人目線ではない、学生目線ならではの課題感がたくさん見受けられました。

未来を生きる人、これからの時代を作る世代ならではですね。私も刺激を受けました。今回のキャリアインカレで同様のテーマを設定したのは、より間口を広げて意見を募集すれば、より多角的な議論が繰り広げられるとの期待を込めてのことです。

「安全・安心」を通して、新しい価値を創造したい。

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―― セコムと言えばセキュリティというイメージを持つ学生が多いですが、テーマに「新たなサービス」とあるように、セキュリティに留まらない領域で活躍されていらっしゃいますね。

沙魚川さん:セコムには誰もが「安全・安心」で「快適・便利」に暮らせる社会の実現を目指して「社会のお困りごと」を解決したいという強い想いがあります。そのために、様々な角度から事業を進めています。

創業時はセキュリティで始まりましたが、次第に防災やメディカルなどに進出し、地理空間情報にも広がりました。さらには保険や不動産という観点からも安全と安心の実現に取り組んでいますし、サイバーセキュリティなどの情報通信事業も早期から取り組んでいます。現在はバックオフィス業務全般のBPO※サービスも提供しています。
※BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング):効率化のためにデータ処理業務などを外部に委託すること。

これらのセコムの事業で学生のみなさんがイメージするのはホームセキュリティでしょうか。それ以外にもオフィスやビルのセキュリティ、病院運営支援や訪問看護サービス、衛星を駆使した地理空間情報の収集、そしてこれらに使うセンサーネットワークやロボットの研究開発など、多岐にわたっているんです。ちなみに、セコムは日本最大規模のデータセンターを有していて、日本で唯一の純国産電子証明書の認証局も運営しています。

「安全・安心」は社会の様々な物事にかかわっているだけに、ますます必要不可欠となって今後もより多様化して裾野が広がっていくと考えています。

―― これからはどのような「新たなサービス」が生まれることになるのでしょうか?

沙魚川さん:社会を取り巻く環境がめまぐるしく変化する昨今、「安全・安心」に求められるものは多様化しています。社会のニーズに応えるサービスを、“より多く、より早く”生み出すためには、今よりも多くの知識、アイディア、技術をどんどん融合させていかなくてはなりません。

そのための有効な場の一つが、多様な人間が集まって意見を交わしている「セコムオープンラボ」なんです。この場での創造的対話を通して、人と人、知識と知識、技術と技術を融合して、イノベーションを巻き起こしていきたいと考えています。

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―― 「セコムオープンラボ」では具体的にはどのようなことを行っているのでしょうか?

沙魚川さん:かつては大きな社会課題を一つ解決すれば、みんなが喜んでくれる時代だったのかもしれません。しかし、社会が豊かになって成熟するにつれてパーソナライズ化への嗜好が一層高まっています。また、社会課題も、それ単体で個別化しているわけではなく、幾つもの課題が絡み合って複雑化・複合化していくなかで細分化が進んでいます。

これを解決していくために、「セコムオープンラボ」では開催テーマにあわせて多様な課題を可視化していく方法をとっています。イベント的に“アイディアソン”というアイディアを出し続けるマラソンのような形式をとっていますが、大事なのはアイディアではなく、一人ひとりが感じる課題です。このあたりは皆さんの参考になるかもしれません。

参加者は評論家として誰かのアイディアに意見を言うのではなく、個々の持つ多様な課題感をどんどん表現していって、どのような課題があるのかを集めて、可視化していくのを第一としています。

―― どんな成果が得られましたか?

沙魚川さん:参加者同士がお互いの意見に共感することで、実際に新しいサービスが生まれたり、研究開発へのヒントが生まれています。セコムで実装していくものだけでなく、実はセコムを抜きに参加者側で持ち帰って進んでいる話もたくさんあります。当社としては、そうしたことも歓迎しているんです。

今の時代、1社だけの力で新しい価値や新しい市場を作るのは難しいといわざるを得ません。だからこそ、みんなで解決していくという姿勢が大切なのですし、それを「セコムオープンラボ」では体現しているのです。

あなた自身の意見を主観で話すこと。それが多様性につながる。

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―― 学生がこのテーマに取り組む際に考えておくべきことはありますか?

沙魚川さん:なにが「お困りごと」なのか、つまりなにが課題の本質なのかが一番重要です。課題設定が本当に正しければ、解決方法はどうであれ、自ずと正しくなります。「作りたいもの」から考えるのではなく、何が本当に解決すべきことなんだろうと、よくよく考えてみると色々な気づきがあるはずです。

日本初のセキュリティ会社として創業したセコムですが、決してマンパワーだけで警備を進めてきたわけではなく、創業4年後には早くも日本初の機械警備(センサーとネットワークを使ったオンライン・セキュリティシステム)を開発しています。マンパワーだけに依存していたら、現在の国内200万件以上のセキュリティご契約先を見守るまでスケールすることは困難だったでしょう。創業初期の課題設定は理念として今も息づいています。

また、私たちはサービスの会社で、今回のテーマも「サービス事業」です。ですから、顧客が誰か、つまり、誰に価値を提供して、誰からお金をいただくのか、そういったことも考えていただく必要があります。解決するべき課題を適切に設定し、顧客の価値を大事にすることがとても重要ですから、そのことを忘れないでテーマに臨んでください。

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―― もし課題の設定に迷ってしまった場合は、どうすれば良いでしょうか?

沙魚川さん:社会のなか、暮らしのなか、生活のなかでの、「不安・不便・お困りごと」が、すなわち解決すべき課題です。「安全・安心」が求められるのは、暮らしのこと、家や街のこと、健康や災害、お金など様々な事柄がありますよね。

また、2030年という時代をしっかりと考えてみるのもいいですね。例えば、政府によれば2030年にはインバウンドで6000万人の来日を見越していますが、日本の人口の半分以上の数字になるだけに、あらゆるインフラが耐えられないと予測されます。

それをどうするかといったところから、思い浮かぶこともあるでしょう。また、平均寿命が100歳を超えている世の中になっているかもしれません。課題設定のヒントは、様々な場所にあるので、ぜひ調べてみてください。

―― 学生へのメッセージをお願いします。

沙魚川さん:私自身、プライベートでは大学の教壇に立っており、普段から学生との接点があるのですが、学校や学会などでの場ではあまりビジネスの生々しさに触れる機会はなく、やはり研究内容に目が向いているのだと思います。

キャリアインカレの場合は、お客様ありきのビジネスについて問う場ですから、学生にとってはなかなか新鮮だと思います。場合によっては、具体的な思いが及ばない領域かもしれません。ただ、だからといって、ビジネスを生む課題を客観的に捉えすぎるようなことはしないでください。

2030年の世界を自分事として考えて、課題の設定の段階では、できるだけ主観で考えてほしいですね。そもそもサービスを受けるお客様が主観で選んでいますから。お客様を含む他人や社会を巻き込むのは“共感”です。たくさんの人が主観で話すことで、多様性を乗り越えた本当に価値あるアイディアが生まれていくはずです。

皆さんが、セコムのどんな展開を発想するか、どんな未来を提案してくれるのか、楽しみにしています。

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