ちがう世代からの見られ方を知る。
それって案外、同じ世代と話しているときよりも自分の強さとか弱さに気づかせてくれるものなのかもしれません。
「最近の若い奴らは・・」の言葉のもとに、大人たちがきみたちへ贈るエール、ぜひご覧ください。

自分に投資とチャレンジをしよう ―高須クリニック院長 高須克弥さん

医師、物書き、僧侶とさまざまな肩書きを持つ高須クリニックの院長・高須克弥さん。ご自身を実験台にした整形手術や歯に衣着せぬ発言など、高須さんの動向は度々ニュースとして取り上げられます。

その注目度は、35万人超というTwitterのフォロワー数からも明らかです。また、その一方で、高須さんは慈善活動に力を入れていることでも知られています。

2011年の東日本大震災後には、被災者に1年間無料で治療を行うと宣言。2016年の熊本地震の際には自家用ヘリで救援物資を届けるなど、災害支援のスケールの大きさに毎回驚かされます。「次は何をやってくれるの?」と思わず期待してしまう実行力を持つ大先輩の言葉は、厳しいながらも若い世代へのエールがこめられていました。

今の若者は “クールジャパン”(笑)。

高須さん

高須さん:最近の若い子たちは引くことが美徳だと思っているでしょう。リスクよりも安全パイを取る子が多いように感じます。僕たちの世代は、戦後の復興期を体験しています。何もない時代に生きていたから、なんでも欲しがる世代。他人を蹴落としてでも出世するようなハングリーな人が多かった。

ー今の若い世代は、誰かを踏み台にして成長するよりも現状維持を好む傾向にあるということですね。

高須さん:今の若い子たちは冷めている、言うならクールジャパンですよ(笑)。ジジイたちの集まりの方がはるかに熱いです。

高須さん

ー高須さんが学生の頃は、遊びにも情熱を注いでいたのでしょうか?

高須さん:それはもちろん!ボーリングでもゴルフでも、なんでも一生懸命にやっていましたよ。スキー場でナンパもしました。男同士で行って、帰りは女の子と一緒。最高ですよね(笑)。

お金がない時は、会場を借りてダンスパーティを開きました。ラーメン1杯が50円くらいの頃に500円のパーティ券が売れるから、すごく儲かりましたね。女の子も医学部主催だと来るのに空手部主催の時は誰も来てくれないから、「なんとか研究会」とか適当な名前を付けて開いていましたよ(笑)。

ーエピソードの一つひとつが濃いですね。大学時代は、アイスホッケー部を作られたと聞いたことがあります。

高須さん:女の子からモテるんじゃないかと思い、ナンパスポットだった品川スケートセンターで遊んでいた友達を集めてアイスホッケー部を作りました。僕たちは寄せ集めのチームだったのですが、キーパーだけはちゃんとしようと野球部のキャッチャーに声をかけました。

ところが、彼はスケート未経験者で、自力でゴールまで行くこともできなかった。そこで、チームメンバーでキーパーの脇を抱えてゴール前まで連れて行っていました。試合中もパックが飛んでくれば取れるけど、ちょっとでも移動して倒れると、今度は立ち上がれなくなってしまう。その度にみんなで担いでキーパーを立たせたりしてね。

高須さん

ーめちゃくちゃな感じがしますが、楽しそう。遊びに対するエネルギーの注ぎ方がすごいですね。

高須さん:実は、できたばかりの僕たちのチームが、いきなり関東第3位になったことがあるんですよ。というのも、当時は慶応義塾大学と東京慈恵会医科大学と日本医科大学、それから僕が通っていた昭和大学の計4校にしかアイスホッケー部がありませんでした。日本医科大学のキーパーが足の骨を折って棄権したので、自動的に3位になったというわけです(笑)。みんなが手をつけていない種目を狙ったことが、功を奏しました。

ー恋愛においても、熱さが発揮されていたのでしょうか?

高須さん:今は草食系の若者が増えているといわれるけど、僕たちの若い頃は、誰もが恋人を作るための努力をしていたと思いますよ。「彼女の右側と左側、どちらから口説いた方がより勝率が高いか」っていうナンパの極意が書かれた本が売れていたくらい(笑)。

女の子にモテるためには、とにかくいい車に乗らなきゃダメでした。狭い家に住んでいても、金がなくて安いラーメンをすすっていても車だけは大事にしていました。

高須さん

ー女性からモテるために、あらゆる努力をしていたわけですね。

高須さん:そうですね。モテるためには、ファッションも大切です。アパレルブランドの「JUN」や「VAN」が台頭していた時代で、「アイビールック(アメリカの名門私立大学に通う学生たちがしていたファッション)をするといいよ」という神話がありました。

よく考えると、そんなの日本人の体型には合わないはずなのに当時は外国人に憧れる若者が多かったせいか、みんなその神話に乗っかっちゃっててね。

ー高須さんもアイビールックに身を包んでいたと……?

高須さん:僕もアメ横で買ったような米軍のジャンパーを着ていました。Gパンも買ったけど、僕足が短くて長袴みたいになっちゃうから、半分に切らないといけなかった(笑)。切った分で、もう1本Gパンを作れそうなくらいでしたよ(笑)。

ー“モテること”があらゆる原動力になっていたのですね。

高須さん:今は、一人の方が気楽だから恋人はいらないと思う子も多いでしょう。それから、漫画やアニメのキャラクターに恋している子もいます。現実には、そんな子は存在しないのに。だって、顔の面積の半分を占めるのが目玉みたいな子がいたら、怖いじゃないですか(笑)。

若いうちから老後の計画を立てるのはバカ。自分の投資に使ってほしい

高須さん

ーご著書の『大炎上』(扶桑社)では、若い頃から老後に備えることについて、批判をされていますが、それはなぜですか?

高須さん:老後に備えたところで、これから先、お金はインフレになるかもしれないし、紙くずになるかもしれないからです。現在は、失敗そのものが恥だと感じて、チャレンジしない子が増えています。

失うものがない若いときにこそ、もっといろいろなことに挑戦すべきなのに、最初から諦めて老後の計画を立てるなんてバカですよ。

ー現在は情報がいくらでも手に入る分、自分のやりたいことが見つからない人たちもいます。最後に、自分には夢中になれるものがないと悩む若い人たちにアドバイスをお願いします。

高須さん:「自分に投資してチャレンジすること」です。何かのプロがいる環境で勉強するもいいし、資格を取ってもいい。看護師や薬剤師などの医療系の資格を持っていたら強いですよ。何かあっても食べていけますから。

と言いつつも、一人ひとり好みや考え方も違うでしょうから、ここでアドバイスを語っても、どうしても総論であまり役立たないものになってしまいますよね。一人ひとりに対してなら、もっと具体的にアドバイスできますよ。

ーTwitterでもフォロワーの方々とやりとりされているのをよく見かけます。

高須さん:Twitterでは、みなさん気軽に質問してきますから。僕はフォロワーが35万人以上いるから、中にはおもしろい人もいますよ。でも、今年7月にTwitter社が偽アカウントを一斉削除したおかげで、これまで来ていた“クソリプ”がなくなってつまらなくなっちゃいました(笑)。

ー嫌がらせすら楽しんでしまうとは、素敵です(笑)。ありがとうございました。

高須さん

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