“何かに憧れる”という気持ちは、人が成長し続ける上で欠かせない感情だそうです。
みなさんも、憧れの存在という人物が一人はいるのではないでしょうか。
では、周りから見るとすでに完成しているような、一目置かれるスゴイ大人たちは、一体どんな人に憧れているのでしょう?
そんな、憧れの人が憧れる人の話、聞いてきました。

好きな人、憧れの人のいいところを、 楽しく集めていく。ーブロガー・作家 はあちゅうさん

はあちゅうさんは、大学時代にブログの力を活用し、世界一周の夢を実現。卒業後は大手広告代理店や当時急成長中のマーケティングPR会社を経て、現在は「ネット時代の新たな作家」をスローガンに読者と直接つながって言葉を届ける未来の作家の形を摸索されています。

著作は「とにかくウツなOLの、人生を変える1か月 」「半径5メートルの野望」など多数。ほかにもオンラインサロンを運営するなど、常に新しい働き方、新しい生き方をアップデートし続けるはあちゅうさんに、今回はそのモチベーションの源を探るため、憧れの人の話に加えて、自分自身を成長させ続ける秘訣を伺いました。

ロールモデル不在。自分なりの働き方、生き方を模索する時代に。

ー最初に、はあちゅうさんはご自身のことを紹介するとき、どんな風にお話しされているのですか?

はあちゅうさん:今は「ブロガーで作家のはあちゅうです」と話しています。ブログは最近それほど書いているわけではありませんが、単なる作家ではなく、ネットと接続している作家だということは大切にしたくて、プロフィールも「ブロガー・作家」と並べて書いています。

出版業界の元気がなくなっていくなか、読者と直接つながって作品を届けたり、作家としての活動費を直接フォロワーさんからご支援いただいたり。ネット時代の作家としての“あり方”と“稼ぎ方”の両方を模索しながら活動しているところです。

だから、便宜的に「作家」と名乗っていますが、「私は今、これまでの世の中には存在しない、新しい肩書きをつくっているんだ」という気持ちでやっています。インフルエンサーともやっぱり違う。文章で届けることや本を出すことにはかなりこだわりを持っているので、「人生を全部コンテンツにしたい」という言い方で自分の生き方を紹介することもあります。

ー参加型のオンラインサロンも運営されていますよね?

はあちゅうさん:はい。私は肩書きをつくっているという意味では、自分を仕事にしているとも言えます。今はまだ少ないですが、そうした自分を仕事にする人、つまり、従来の会社の肩書きや家庭の役割から解放された新しい働き方、生き方を自分自身で築いていける人をもっと世の中に増やしたくて、参加型のオンラインサロンをやっているんです。

最近、本当にロールモデル不在の時代に入ってきたなと思います。たとえば、子供たちの「なりたい職業ランキング」にYouTuberという新しい働き方が出てくるようになりましたよね。でも、それはここ数年で生まれた職業で、たとえば20年後にその職業があるかどうかもわからない。誰にも予想はつきません。

そういう意味では、今後はロールモデルを一人に絞らず、この人のここが憧れ、こういうところが好きという風に、たくさんのロールモデルを参考に、自分なりの働き方、生き方を模索するのがスタンダードになるのかなと思います。

時代の変化がものすごく速いし、こうなりたいって思った時にはその職業が無くなっている可能性だってある。なので、私自身もいろいろな業界のいろいろな職業の人を参考にしながら、新しい働き方を実験しています。

年表や連載本数を書き出して、自分に足りないものを考える。

はあちゅうさん

ーそうすると、今回の「憧れの人」というテーマは難しかったですね?(笑)。

はあちゅうさん:そうですね(笑)。ただ、私の人生に大きな影響を与えてくれた方として、林真理子さんを挙げたいと思います。

私自身、文章を書いていく中で実感しますが、あれだけの質のものを長年大量に書き続けながら、異なる作風のものにもチャレンジされている。さらに、作家活動だけでなく、長年ボランティア活動にも積極的に関わっていらっしゃいますし、何より、今でも新しい物事にキャッチアップし続け、いい意味でミーハーでいる姿がかっこいいと思います。

林さんを目指すということではないですが、やはり私の憧れの人を挙げるとしたら、林さんですね。

ーちなみに、林真理子さんの作品と出会ったのは、いつ頃だったんですか?

はあちゅうさん:林さんを知ったのは9歳です。読書家のおばさんの家に「食べるたびに、哀しくって」という林さんのエッセイが置いてありました。

その本は、林さんがご自身の多感な少女時代を振り返り、なかなか周りのコミュニティに入っていけなかったエピソードなどをご飯の思い出と絡めて書いているエッセイなのですが、子供時代の私も、クラスの隅っこにいてあまり快活な子ではなかったので、本の中の林さんと自分を重ねて読んでいました。

その後、他のエッセイや小説も読むようになり、小・中・高校時代は林さんの新刊が出たら買いに走り読んでいましたね。で、気づくと、私自身も本が大好きでしたし、あまり得意なことがない中で文章はよく褒められていたので、いつか林さんのようにに文章で成功して美味しいもの食べたい、楽しい生活を送りたいっていう野心が芽生えていました(笑)。

大学時代にブログで世界一周の夢を実現させたのも、林さんをはじめ、これまでの作家さんたちの「人生をコンテンツにする」とか「すべての経験をネタにする」という生き方に影響を受けている部分が大きいと思います。

当時は、今みたいにYouTuberとかインフルエンサーとか存在せずに、ブログで稼ぐ方法もよくわかっていなかったので、人生をコンテンツにするロールモデルとえいば、作家でした。だから、「作家になりたい」とすごく強く思っていましたね。

ー林真理子さんに憧れて具体的に行動に移したことはありましたか?

はあちゅうさん:はい。好きな文章や言葉を書き出すことはもちろん、林真理子さんの年表も書き写しました。当然、参考にもできないすごい経歴なんですけど、何歳で賞をとって、ベストセラーを出したとか、いつ結婚したとかを書き出しましたね。

あと、林さんの持っている連載の数を数えて、1本の連載を何分で書き上げれば、こんなに歌舞伎や宝塚を観に行けるんだろう……。と林さんの1日を想像してみたり。そうして、そこから「今の自分には何が足りないんだろう?」と逆算していきました。

私は林さんに限らず、人のことをめちゃめちゃインストールするんですよ。大好きなお友達のことは常に真似していて、今持っている香水も仲良しのモデルの田中里奈ちゃんがもともと付けていた香りですし、携帯ケースも彼女が持っていたもの。リップはこれも仲良しで有名ブロガーの桃ちゃんが使っていたもの。

好きな人や憧れの人に今から生まれ変われないけど、いいところを全部インストールしていったら、その子に近づけると思っています。だから、人のことをすごく研究しますね。で、いろいろな成分を集めて調合したものが、私のオリジナルになっていく。

毎日、素敵な人たちと会って、話して、その人たちから学ぶことで、自分をアップデートできる、昨日よりもより良い自分になれると楽しんでやっています。

素敵な人のいいところをインストールすると、仕事や学生生活にも活用できますか? 続きは次のページへ