【前編】「遺すべきものを遺す」 込み上げる感情の先にある リアルなアートの追求



MFCが深町さんを取材するのは今回で2回目。前回取材をした時と比べ今の彼女は更に大きく活動の幅を広げ、写真に対する考え方の変化が作品を通して垣間見えました。活動を通して発信し続ける彼女が、いま、伝えたいこととは?
そんな彼女の“今”をMFCインターンの佐藤が取材してきました。

登場人物

深町さん深町さん
現在休学中の大学4年生。アーティスト、フォトグラファー、ビデオグラファー、ライター、アートコレクターなど様々な肩書を持つ。美しい写真を多く撮影している。

さとゆうさとゆう
明治大学に通う大学3年生。2018年2月からMFCでインターンを開始。2019年4月(大学4年生)から休学し、長期留学予定。母の影響で幼いころから美術館によく連れて行かれていたこともあり、今でも上野に展覧会を見に足を運ぶことが多々ある。最近見た展示展は「ミラクル エッシャー展」。

感情や想いの表現こそが、アートでいい。

さとゆう:はじめまして。今日はよろしくお願いします!

深町さん:よろしくお願いします。

さとゆう:深町さんは現在、多岐にわたって活動されているようなのですが、様々な活動の中でいま最も重きを置いているものはなんですか?

深町さん:『ART IS?』という、アートとはなにか?を感じるメディアを9月に立ち上げようとしていて、その準備を進めています。無名・有名・分野・国関係なく、様々なアーティストやアートに対する自分なりの考え方や哲学を持っている人に、「その人にとってのアートとはなにか?」を取材します。
アートってなんだかよくわからない……と感じる方が多いと思うのですが、『ART IS?』が、その人にとってのアートを考えるきっかけになれたら嬉しいな、と思います。
また、「アートを側におく」愉しさをもっと広めたいという想いがあるので、EC機能を組み込み、私自身が今までにいいなと思って収集したアートを販売する予定です。いずれはアーティストのキュレーションもできるように力をつけたいです。

深町さん

さとゆう:『ART IS?』をつくろうと思ったきっかけはなんですか?

深町さん:私は小さな頃からアートが好きだったんです。といっても、「私が好きなのはアートなんだ」と気づいたのは本当に最近のことです。
昔から、なにかを強く感じることがあったときや、自分のなかで抑えきれないものがあったときは、ショートストーリーや文章を書いたり、写真や動画を撮ったり、写真をコラージュしたり、作品を作ったりと、いろいろな手段でその感情を表現してきました。

深町さん:今までは「私はなにかをつくることが好きなんだな」と思っていましたが、Chim↑pomさんというアーティストに出会って、私は自分の感情や思考をなんらかの形で「表現する」ことが好きなんだ、と気がつきました。昔から色々なことをやってきて、それを自分の強みだと感じる反面、「私はどうしていつも1つに絞れないんだろう」と悩んでいましたが、私が好きなのは表現なのだということに気づいてからは悩むことがなくなりました。表現したいことによって、適切な表現方法が違うからです。

自分自身にとってのアートとはなにかを常に模索していますが、今の私にとってのアートは「表現」です。
自分のなかの「なにか」が、抑えておけずに飛び出てきてしまったもの。それは、時に愛に似ているような気がします。感情や想いをとどめておけずに、言葉やハグやキスに表れてしまうのと、なんだか似ているような気がするんです。

そうやって、「自分はアートが好きだ」と気づいてアートについて考えるようになってから、日本はなんだかアートから心が遠い国だなと感じるようになりました。日本は日常生活でアートに触れる頻度が少なく、自分の小中高時代を思い出しても、アート教育の希薄さを感じます。

周りをみても、詳しい歴史を知らないとアートを好きといってはいけないんじゃないか、美術館に行くことや絵を見ることは好きだけれど、だからといってアートが好きだとは言えない、といったように「アートってなんだか敷居が高い、よくわからない」と思っている人が多いのではないかな、と感じます。

私は、アートには定義などなくて、鑑賞者がそれを「ただ見ること・聞くこと・触ること」を超えて、なにかを感じ取った時点で、そして、鑑賞者がそれをアートだと思った時点でそれはアートだ、と思っています。

深町さん

さとゆう:なるほど、予備知識を全てとっぱらった上で、感性を大切にしてほしい、ということですよね?

深町さん:知識はもちろん大切だと思いますが、それ以上に感性が大切だと思っています。
自分がなにかを感じたり、これはアートだ!と思えばもうそれはアートだし、アートじゃないと思ったら、それがどんなに美しくても面白くても世間で評価されていても、その人にとってそれはアートではないと思います。

友達が「あのカバンすごくいいよね!」と言ったとして、でも、自分は「ちょっと微妙だな」と思ったとする。そういう経験は誰にでもあると思うのですが、そういうときって、すんなり人との感覚の違いを受け容れられると思うんです。
アートに対してもそういう感覚を持つことができたら、もっとアートを身近に感じられるんじゃないかなと思います。興味を持ったあとに知識や歴史を学んだら、そこからもっとアートが面白くなる気がしていて。

アートって、定義や決まりがなく自由なものだからこそ「よくわからないもの」と思われてしまいがちなのかな、と思うので、自分にとってのアートとはなにかを考えるきっかけをつくりたくて。そのために『ART IS?』をつくることにしたんです。

深町さん

深町さんが立ち上げるメディア「ART IS?」の目指すものとは? 続きは次のページへ

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