【学生団体 Bizjapan】学生会議HPAIR参加レポート

2017年の夏、私を含め、Bizjapanのメンバー5人が8月17日から21日までオーストラリア、シドニーで開催された学生会議HPAIRに参加してきました。

HPAIRの名前を聞いたことがあるという人は、日本では少ないのではないでしょうか。HPAIRはHarvard Project for Asian International Relationsの略称で、単刀直入な言い方をすると世界最大規模の国際学生会議です。1992年に創立されたハーバード大学の学生団体として設立され、Bizjapanの提携団体の一つでもあります。HPAIRは、設立後毎年にわたってアジアの各国主要都市で国際学生会議を開催しています。過去の開催地はドバイ、マニラ、北京などアジアの主要都市です。そして、2014年には9年ぶりに東京がその会場となり、8月22日~26日の5日間にわたって会議が催されました。Bizjapanからは、過去のHPAIR会議参加者を中心に7名が運営に参画したほか、1名が参加者として会議に出席しました。

今回のHPAIRシドニー会議には、総勢約550名の大学生・大学院生が参加者として出席し、また世界各国の著名な起業家・社長・学者・政治家ら約120名がスピーカーとして登壇しました。参加者はプレナリー(総会)・パネル(討論会)・セミナー(講演会)といった各セッションで、国際問題について考え、議論することに加え、フィールドトリップやインターナショナルナイトといった企画を通して、オーストラリアの文化や政策についても学びました。

HPAIRの参加者は、履歴書、エントリーシート、Skype面接を通して選考されます。あとで会議中に運営委員会を務めるハーバードの学生から聞きましたが、多いときには一日200枚ものエントリーシートを読んだそうです。エントリーシートの質問は「今回のHPAIR開催都市はオーストラリアであるがオーストラリアが東アジアにおいて如何なる役割を果たしてきたか、具体例を交えて述べよ。」など、リサーチを必要としたうえで、個人の見解を問うものでした。日本のエントリーシートによくみられる「あなたが今まで経験した挫折は何ですか。それをどのようにして乗り越えましたか。」「あなたの長所は何ですか。それをどのようにして生かしますか。」といった個人の経験や意見を問う類の質問しか経験したことがなかったため、「いきなり突っ込んだ、スペシフィックな質問をしてくるのだな。」と感じました。履歴書も、配布されたフォーマットがあるわけでも、決められた書式があるわけでもなかったので、どのようなやり方で、どの情報を載せるのか、つまり自分のどの部分をアピールするかは完全に個人の裁量です。インターネットで検索しながら、何とか履歴書を完成させ、海外で暮らしていた経験があるBizjapanの先輩メンバーに校正をお願いしました。すると、「過去に学生シンポジウムで委員長を務めたことがある経験は、謙遜はいらないから、自分が強力なリーダーシップを発揮して、みんなをリードし成功に導いたと分かる文面にしなさい。」といわれました。日本では「人の輪を重視して、助けあって物事を達成する。」ことが重視される傾向にあります。しかし、海外で自身を組織にとってプラスになる人間として売り込みたいのであれば、「自分は自立して仕事をこなすことができる。」「自分にはリーダーとして人の上に立つだけの資質がある。」と伝えるほうが、有効なのでしょう。

HPAIRの参加者と話していて、彼らの知見の広さ、自国の文化への造詣の深さに驚かされることが多々ありました。例えば、日本の大学についての話題になったとき、インドの学生が日本のセンター試験制度が変更されることを知っていて驚かされました。ほかにも、「日本の学生に留学は不人気と聞いたけれど何故?」という質問に対して私が一瞬答えを考えている隙に、隣にいたアメリカの学生が「まず、日本のアカデミックカレンダーはユニークだから、海外の大学に進学してしまうと帰国後、就職活動に出遅れてしまうんだ。それに、海外では名前が知れた大学でも、日本ではあまり有名ではない場合があるから、就職活動の面接では日本の有名大学の名前を言った方がいいことがあるって聞いたよ。」と答え、少し悔しい思いをしました。

3日目の夜はInternational Nightと題されたイベントが開催され、国ごとにブースを出して自国の文化を紹介しあう機会がありました。アルゼンチンの学生は現地でよく食べられているという魚介類の塩辛のような缶詰を開けて、入っている13種類の魚の名前と、旬の季節を楽しそうに語ってくれました。インドの学生は私の名前を現地で話されている言語の10種類の違うつづりで書いてくれました。その一方で私たち日本代表団は、浴衣を持ってきたはいいものの、着付けができる人が限られており、直前までネットで調べてあたふたするという一幕がありました。

最終日のディナーパーティーの席で私は5日間過ごしたみんなと会えなくなる寂しさと同時に、自分の知見の浅さ、人生における経験の薄さに無力感を覚えていました。「私は18年間、割と楽しく充実した生活を送っていたと思っていたのに、こうしてみんなと話していると、一体自分は今まで何に時間を使ってきたんだろうって思えてきて悲しくなる。就職活動のことも考えると学生生活はあと3年あるかないかだというのに、まだ将来の方向性も絞れていない。」とふとつぶやきました。すると、今年修士課程をアメリカで終えるという彼が「まだ君は18歳じゃないか。僕も18歳の時にこの会議に参加する機会に恵まれていたなら、人生が変わったかもしれない。君はこの会議の中でいちばん若いのだから、周りから得るものの方が多くて当然だし、むしろその方がいいよ。率直に言うと、まだ焦って絞り込む必要はないよ。いろんな人と会って、いろんなところに行って、手は広げるだけ広げた方がいい。もし君が、ここにいる他の参加者たちは知見が広いとか、経験が豊富だとか感じるのであるとしたら、それはみんないろんなチャンスに、とことん飛びついてきたからだよ。」と言ってくれました。また、漠然と自分はあと3年と少しで学生生活を終えると思っていましたが、ダブルマスターをとっている人、一度銀行に就職してから、ビジネススクールに入った人など、いつ、どのくらいの期間学ぶかは、本当に人それぞれでよいのだとも感じました。

私がHPAIRで得たものは、長い付き合いをしていきたいと思える友人、有名教授のサイン入りの本、上手なプレゼンをするためのティップスなど様々ですが、なにより「もっと世界に出かけて見たことのないものを見たい、自分とは全く異なるバックグラウンドを持った人の話を聞きたい。」という探求心、「難しい講演でも、さらさらとメモを取りながら余裕をもって聞くことができるだけの英語力がほしい、会話の途中に相手をあっと言わせることができるような話ができるだけの知識がほしい。」という向学心を得られたことが会議に参加してよかったと私が自信をもって言うことができる理由です。それと同時に、「人生にはもっといろいろな選択肢があっていいのだ。いつ何をどこでまなぶのかは自由なのだ。」と感じ、肩の力を抜いて自分のキャリアについて考えることができるようになった会議でもありました。

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