FUTURE MOBILITY SUMMIT TOKYO 2017 潜入レポート!



こんにちは! 学生スタッフのあおのです!
今回、「FUTURE MOBILITY SUMMIT TOKYO 2017」という、モビリティの未来を語り合うサミットに参加してきました。
このサミットは全部で6つのセッションパートに分かれ、各セッションにて豪華パネラーによる濃密な議論が繰り広げられました。
百聞は一見に如かず。ということで各セッションの詳細を見ていきましょう!

(*こちらの記事は全て2017年11月時点のものです。)

Agenda Session:都市化の未来 – 都市化とモビリティ –

最初のセッションでは、都市の「メガシティ化」、都市へのモビリティの関わり方について、政府関係者、都市政策研究者、自動車メーカー役員、スタートアップ役員の各ステークホルダーが意見を交換しました。

モビリティ技術が時々刻々進化する中で、都市部のモビリティのあり方は大きく変わり続けています。都市計画を専門とする首都大学東京の教授である清水さんによると、特にすでに成熟都市だとされていたロンドンがオリンピック開催を経て、五輪需要に対応すべく大きな変化を遂げたことから、3年後の東京五輪によりここ東京でも同じことが起きると予想されるとのこと。そして大規模な都市のインフラ整備を通して新たな数十年で必要とされる技術を受け入れる余地を作り、適応して、その知識を体系化することで他の国々にプラスの影響を与えるだろうと話していました。

一方で、インドネシアのエネルギー省などの担当官であるパーバさんはインドネシアと日本を比較してモビリティの違いを説明していました。鉄道の特性がいきる東京の環境に対して、人口密度が高いジャカルタなどインドネシア都市部では、人口増加に伴いバイクの台数が上昇し、シェアも他と比べて圧倒的なものになっているとのこと。またこの人口密度の高さは都市部の課題とも直結しており、洪水・渋滞による経済損失や廃棄物による環境破壊が生み出されていることを説明していただきました。

日産自動車執行役員の星野さんは、今後の自動車開発の進むべき道として、電気自動車(EV)と自動運転技術を使うことが渋滞や交通事故の減少、さらには高齢者社会で問題となる「ラストワンマイル」問題を解決するだろうと予測していました。例えばEVの実証実験として、停電時にEVから1世帯の数日分の電力を供給できることから、EVを組み込んだ街の災害対策を設計することも今後可能になるだろうとおっしゃっていました。

Uber Japan執行役員社長の高橋さんは、Uberが日本の京丹後市で取り組むシェアドモビリティについての紹介をして、シェアドモビリティが現在世界で起きている高齢化や地方での人口減少、車リソースの供給過多の現状を解決する一つの手段になりうるということを説明していました。過去のように車に乗ることが目的になるのではなく、EVやシェアドモビリティなどの技術を組み合わせることで人々の生活を向上させることが、新たなモビリティ社会への移行に向けて必要な要素であるというようなお話をされていました。

Session 2:世界の自動車産業のいま

続いて、「自動車のデジタル革命」の現状と未来、それに対して自動車業界がとるべき戦略を、メーカー各社の代表がディスカッションしました。

先ほども話に上がった自動運転技術やEV化に、デジタルモビリティも加えた「三つの革命」が自動車産業に大きな変化を起こすという話の入りから、特にデジタル化が何をもたらすか、どう変化するか、何を検討すべきなのかというように多様な側面からデジタル化の影響を議論していました。特に自動車メーカー自体が変わるべき必要性というのを論じており、一つに機械工からAIへのパラダイムシフトに対応する必要があるということ。またハードからソフトへと開発中心が変わり、エンジニアはAI技術やオープンデータの取り扱い技術、サイバーセキュリティ技術を求められるようになることを主張していました。
さらにバリューチェーンの部分では、自動車とは異分野のところから新参企業が入り込む可能性を指摘しており、ここでは既存の分業制の関係を覆すような、新たなヒエラルキーが誕生する可能性について、ローランド・ベルガー創業者であるベルガーさんは話していました。

一方で、デジタルトランジションのもたらす利益も様々あるとのこと。企業側の利益としては、先ほどの話で出たサイバーセキュリティを強化することで、企業としてのクリーン性を評価されることになるという部分や、先進国同様の運転環境を新興国にも今後提供するにあたり、ビジネスの進出チャンスが創出されるという部分などに、利益を見出していました。またユーザー側としては、アシストシステムの普及により全世界において運転が安全な環境になる可能性があるということ、モビリティが環境に優しくなることで健康への好影響が期待されること、自動運転が普及すれば運転する時間を仕事に割くことができて、生産性の向上が期待されるだろうという風な意見が出てきました。

Session 3:コネクテッド・モビリティ

三つ目のテーマは、自動車が近年IoT, AIでどのように変化をするのか、ということについてでした。ここでは各メーカーの研究開発に携わっている専門家たちがそれぞれアイデアを語りました。

IoTやAIを可能にしたBIGデータには、1. 車自体を進化させる 2. 車社会を進化させる 3. 車のバリューチェーンを進化させる という三つの役割を持っていて、これらの進化のために、データを共有できるようなオープンなプラットフォームを整備すること、そこにおけるリスク管理を考える必要があるとのこと。また一方で、オープンリソースを嫌がり、自社データを占有したいと考える企業もいることを考える必要があるという意見がありました。

このセッションでは「Experience(経験)」という言葉が頻繁に出てきました。個人的 / 感情的な部分でもあるExperienceをどうマシン学習に組み込むか、例えば、この道路で間違ったタイミングで曲がろうとする人間の心理を理解しようとするAIをどう作るのか。また企業の差別化によりユーザーの中で会社のブランドが醸造されるが、車のサービスやサポートが統一化され、ライドシェアが着実に普及し始めている中で、「どういうExperienceを車で得られるか」が大きな要因となるという話をされていました。

「モビリティ× ◯◯」が生み出す可能性

その他多数のセッションがありました。シェアリングモビリティのセッションだと最近日本でも話題になっているシェアリングサービスとモビリティがどのように共存していくのか、それが取り込まれた将来にてメーカーはどうやって生き残るべきなのか、など不透明な未来像について熱く議論を交わしていました。
シェアリング技術以外にも、電気自動車、水素自動車などモビリティの動力源の多様化の視点から自動車産業の構造変革がどう進むのかについての意見交換を行ったり、さらには自動車という枠組みに限らず多様な移動手段についてどう将来において変化するのか、新たなモビリティが実現できるのかについて議論したりするなど非常に魅力あるセッションばかりでした。

また他にも出展企業による新規技術紹介を含めたプレゼンテーションの時間があったり、宇宙でのモビリティの可能性を考えるキーノートセッションがあったりと、モビリティに関する多様なコンテンツが組み込まれたサミットでした!

取材後記

身近な存在である自動車が未来においてどう変化していくのか、業界を牽引するリーダーたちの口から出てくるアイデアや未来予想図は、衝撃的と言う表現がぴったりはまるような発言ばかりでした。また、このサミットには国内外から業界をリードするような関係者たちが会場である両国国技館に駆けつけ、10時間にも及ぶサミットの内容を一言一句漏らさないようにメモを取り、参加者同士でも意見を交わしていました。
日本を代表する業界である自動車についてのこうしたイベントが日本で開催されたことは、頭打ちだと言われる日本の自動車産業も、まだまだ無限の可能性があることを期待できるのではないでしょうか。

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