ビジコンと投資コンテストで日本一になった学生が起業。インターン学生を探してる件(東京大学 下山 明彦)

インカレ優勝

国内最大規模の大学生ビジネスコンテスト「キャリア・インカレ」。今年も既に熱い戦いが始まっているが、そんな中、昨年優勝したチームのリーダーだった下山くんから「僕、起業して、一緒に働いてくれる学生インターンを募集しようと思うんです。いい人いませんか」との連絡が私、羽田の所にあった。何だかわけがわからないが面白そうなことになっていたので、とりあえず話を聞いてみることに。インカレ以降もありとあらゆるところで賞を獲得している彼を突き動かすものとは?(取材執筆:羽田啓一郎)
(*この記事は2017年10月時点の情報です)

仮想通貨分野で起業します。インターン生募集!

羽田

お久しぶりです! 起業したんですって?

下山さん

そうなんです。で、一緒に働いてくれる学生インターンを募集してるんですが……。

羽田

まあそれはおいおい聞きますが、とりあえず募集告知だけ先に出しておきますね。

下山さん

Webの世界ならではですね。じゃあまずは告知を。

■■ 募 集 ! ■■
仮想通貨のメディア立ち上げを手伝ってくれる大学生インターン生を募集します。主な業務はライターですが、やる気と能力次第でマネジメントやビジネスデベロップメントなどにも関わっていただきます。
■待遇:時給1,000円程度
■勤務地:東京大学本郷キャンパス付近のオフィス(湯島駅、本郷三丁目駅から徒歩5分)
■応募条件:週20時間以上勤務できる、やる気のある方であれば誰でも
■応募方法:[こちらのフォームからご応募ください]

羽田

はい、というわけで、話を聞いていきますが、まずそもそもキャリア・インカレで優勝した後は何してたんですか?

下山さん

まあいろいろとやってたんですけどね。僕、年初に立てた目標が2つあって、一つ目が「1億円を手に入れたら自分が何を考えてどう行動するか確かめる」だったんですよ。

羽田

はあ……(何言ってんだ、こいつ)

下山さん

だって、興味ありませんか? 自分が大金得たらどんなふうになるのか。お金を持つと嫌な人になるとかってよく言いますけど、それが本当なのか確かめたくなっちゃって。

羽田

うん、まあわかりますけど。

下山さん

例えば今、やってみたいけどチャレンジできないことってありますよね、例えば漫画家になるとかバカンスを楽しむとか。それができない理由がホントに金銭的余裕がないためなのか、それを確かめたいんです。もし大金持ちになってもバカンスに行ってないなら別に行く必要もなかったってことだろうし、もし何かをやってるなら、それがホントに自分がやりたいことって言えるのかな、って。要するに、金銭事情に左右されない、ホントにやりたいことを見つけるには、お金を手に入れるのも一手かなと思ったんですよね。

羽田

僕はそんなこと確かめなくていいから10万円でもいいから欲しいですけどね。で、それで?

下山さん

インカレの後に僕、割と有名な会社のインターンで優勝しまして、そこでも数十万円の賞金をいただいたんです。で、インカレとそのインターンの賞金で投資を始めたんです。

羽田

えっとまず、どんなインターンだったんですか? ビジコン系?

下山さん

いえ、プログラミング系ですね。ERPのシステムを自分でプログラミングで作ってくってやつで。

羽田

……プログラミング、できるんですか?

下山さん

いや、最初は何も知りませんでした。他の参加者にはできる人もいましたが、僕も負けじとめちゃくちゃ勉強して、なんとか優勝できました。

羽田

すごいなあ、という言葉以外出てきませんね。さすがインカレ優勝者。で、そのお金で投資をした、と。投資ってそんな簡単にうまく行くものなの?

下山さん

もちろん勉強は必要ですし、必ずしもうまくいくとは限りません。リスクもありますが、僕は今のところなんとかやってます。僕、休学してインドに行ってたんですが親の仕送りがインドに行ってる間に止まったのもあって、本気度が他の人と違ったからかもしれません(笑)。

羽田

孝行息子な気もしますが、どうなんだろう。

下山さん

休学したり、なんやかんやといろいろやってるので、母親には心配かけてますが……。で、その投資経験を生かして、ブルームバーグの学生投資コンテストでもパフォーマンス部門で一位だったんですよね。

羽田

なんかもうすっごいね。そういうコンテスト系に出まくるのはなんでなの?

下山さん

うーん、理由はいくつかあります。まず、自分が成長したいと思った時、インプットとアウトプットの両方が大切だと思うんですね。インプットしただけじゃ実力がついたかどうかわからないじゃないですか。その点コンテストは、自分の実力を測るのに最も効率的だなと。一位をとる、優勝を目指す、というのは目標設定としてわかりやすい。そのために勉強したり知識をつけたり練習したりして、インプットの質も向上する。投下した時間、努力とリターンの効率がいいと思ってるんですよ。

羽田

あー、まあ努力する目的が明確ですよね。確かに。

下山さん

あとは単純に競争が好きなのかな。勝負事が好き。僕、小説コンクールとかも出してますしね。それはいい結果が出ませんでしたが(笑)。

自分は残りの大学生活何をするのか?

トレーディング中の下山くん。モニター4台……!

羽田

なるほどね。で、そこから起業にどうつながるの?

下山さん

なんとなく、最近自分の目標を下方修正してる気がしてたんです。僕、休学してフィリピンやインドに海外インターンに行って、帰国してキャリア・インカレで優勝してビジコン1位になった。プログラミングのインターンでも優勝した。で、次は何するんだろう。普通は次は就活。なんかそれって、当たり前すぎるのかなって。実際、ここんとこずっと漫画ばっか読んでて何もしてないな、と。

羽田

今って2年生だっけ?

下山さん

そうです。だから就活はやるとしても来年なんですが、これまで自分が過ごしてきた学生生活の熱量とスピード感から考えると、就活までに何かできるというか……。こんなこと言うと嫌みっぽいですけど、このまま就活に突入しちゃうのは、目標の下方修正であり、停滞だと感じたんですよ。

羽田

いや、わかりますよ。日本の就活はルールとスケジュールを守らないといけないですからね。それまで頑張ってきた学生もそうでない学生も「公平性」の名の下に同じレールに乗らないといけない。

下山さん

で、その某社のインターンの副賞が米国のシリコンバレーツアーだったんです。ノーベル賞受賞者にも会えました。

羽田

某社、豪華だな。

下山さん

そこでこの夏、シリコンバレーの「熱」を体感して、向こうの起業家たちのお話も聞いて。なんて言うんでしょう、みんな楽しそうなんです。現状に止まらず、自由に高みを目指してるんですよね。それが停滞感にとらわれていた僕には新鮮で。

羽田

なるほど。

下山さん

ビジネスサイドにおいて自分のマーケットバリューを高めようと思った時に、海外インターン、ビジコン、プログラミングをやってきた僕が次にすることって、そこまでの経験値をもとにした起業なのかな、と。で、帰国したら偶然、友人が「仮想通貨の世界で起業する」って言うから、「俺もやる」って。まあ、勢いみたいなとこもあります。

羽田

え、じゃあ起業したのってひょっとして最近?

下山さん

2週間くらい前ですね。

羽田

すげえスピード感だ。さすが。なんかそのフットワークの軽さとかすごいなあと思うんだけど、下山くんは結局なんなの? 何がそこまで駆り立てるの?

「生死」のはざまが知りたくて山籠り

この写真はインドで瞑想をした後の写真。この視線の奥に何を見ていたのか……!

下山さん

うーん、何なんでしょうね。自分でもあまり言語化できてないんです。でも多分、世間に対しても自分の中でも、いろんな既成概念を壊したいんだと思います。僕、自分の価値観が揺らぎそうなことが好きなんですよ。

羽田

ほう。と言うと?

下山さん

例えば僕、今年友人と山ごもりしたんです。その辺の里山じゃなくて、急峻なホントの山。
登山じゃなくって山ごもりなんですよ、一泊ですけど。

羽田

???なんで?

下山さん

人ってよく「死にたい」って言うじゃないですか。その「死にたい」と言う感情は、辛い出来事と「死ぬ」と言う状況を本当に比較して生まれてくるものなのか知りたくて。だから確かめようとしたんです。でも死ぬのは嫌だから、なるべく生死のはざまを味わえるものって何かな、と考えた時に浮かんだのが山ごもりだったんです。

羽田

ちょっと何言ってるかわからないです。

下山さん

ですよね。羽田さんの表情に「コイツ、ヤバいやつ?」ってのが浮かんでます(笑)。ただ、それはさっきお話しした年初の目標の二つ目なんですよね。もともと僕は高校時代から「死生観」に興味がありました。死を考えることは生を考えることだし、死の周縁には哲学があるって。例えばスティーブ・ジョブズの「明日死ぬとしたら今日何をするか考えよう」なんて言葉は有名じゃないですか。でもそれって彼が本当にがんになったから口を突いたのかなとも思える。死に直面したから、生きることを考えた。ならば死に相対したことのない僕らはリアリティーを感じ、行動することはできないなと。じゃあ少しでも近づけるはずの山ごもりでもしてみよう、と。

羽田

理屈はわかりますがそこで行動に移すのがなんというか変態ですね。

下山さん

(笑)。突飛に思われるでしょうが、そこは真剣でした。結構、事前に調べたんですよ。例えばその山、ツキノワグマが出るんですが、ツキノワグマは人を襲うのか、とかめっちゃ調べて。襲うらしいんですけど、まあ死のリアルを体験するって話だから、ここは行ってみよう、と。

羽田

笑うしかないんですが、怖くなかったんですか?

下山さん

めちゃくちゃ怖かったです。

羽田

あ、怖いんだ。

下山さん

めちゃ怖いですよ! 真夜中の山って真っ暗で、何も見えないんです。そんな中で一晩過ごしてたら恐怖がどんどん増していって……。目の前に何か得体の知れないものが現れる気がして、僕、ずっと目を閉じてたくらい怖かった。

羽田

ふうむ。で、その山ごもりで何か得ました?

下山さん

失敗に対する恐れ、敷居が下がった気がしますね。ホントに怖い夜を過ごして、早朝に薄もやの中で山を降りていって。無事に車道に出て人の住む世界に足を踏み入れた時、素直に感動できたんです。「生き延びられてよかった」って。で、僕の中ではやっぱり死ぬのは嫌で、どんな失敗しても生きてりゃなんとかなるんだなって思えるようになりました。「死生観」とともに思春期を過ごしていた僕にとり、「死」ってある種の誘惑でもあった。それは若者の多くが抱く感情だと思うんですけど、その「手」を逃れることができたのかなって。大学生にもなって、稚拙で笑われちゃうようなことでしょうけど、僕にはそんな気付きになったんですよね。

羽田

さらっと言ってますが、深いですね。なんか話聞いてると変人みたいに見えるけど、素直なんですかね。神経がずぶといだけかと思ったけど。

下山さん

いやあ、僕、めちゃ傷つきやすいんです。そしてそれを隠すってこともしない方で。結構メンタルは弱いんじゃないかなと。でもわかんないものをそのままにしたくないので行動しちゃう。なんでも自分で確かめたいんですかね。

羽田

なるほどね。じゃあ最後にまた告知も兼ねてですが、仮想通貨について下山くんが思ってること教えてください。最近いろいろと話題の分野ですが。

世界が変わる? 仮想通貨の世界に触れてみませんか。

オフィスでの下山くん。経営に完全にコミットモードとのこと!

下山さん

そうですね。まずとにかく、この先の人生の中で、これほどまでに世の中の仕組みを変えるビッグイベントに出会えないんじゃないか、と。だから関わらない手はないと思ってます。

羽田

仮想通貨ってそんなすごいんだ。ただの電子マネーの一種かと思ってた。

下山さん

うさんくさいと感じる人も多いですよね。投資ですし、現時点でまだ安定していないから、確かにリスクはある。でもそのポテンシャルはすごいなと。それまでお金っていうのは政府が発行し保証するもので、そうでないと機能しないと思われていた。でも「サトシナカモト」という人物の論文にそれを打ち破る理論が書かれてて。それが仮想通貨の始まりだそうです。ちなみにそのサトシナカモトっていう人、正体不明でいまだに誰が書いたのかわからないんですよ。

羽田

え、日本人なの?

下山さん

いや、それすらもわからないんです。本当に誰かが謎。

羽田

すげえ。ロマンがあるな。

下山さん

でしょう? 僕、仮想通貨誕生をめぐるそんないきさつも好きなんです。とにかく、世の中の仕組みをガラッと変えるのが仮想通貨。経済社会において「国家」の枠組みが意味をなさなくなる。仮想通貨の世界は、沈みつつあると言われる日本にとって、最後のワンチャンスあるかないかの領域だとも思うんです。

羽田

というと?

下山さん

インターネットの世界はもはや、残念ながらGoogleが支配してますよね。ECもアマゾン。それを逆転するのは正直難しい。でも仮想通貨はありとあらゆるルールをリセットし、世界のゲームバランスを変える可能性を秘めている。日本はまだ仮想通貨の世界ならチャンスがあるんじゃないか。僕もそこに関わりたいなと思って、仮想通貨に関するメディアの立ち上げを起業して行うわけです。

羽田

あ、メディアビジネスをやるんですね。

下山さん

そうですね、まずは。これから急速に注目されていく仮想通貨領域で突き抜けたメディアを作りたい。僕は個人として投資や運用もやってますが、会社のビジネスとしては仮想通貨メディアです。だからそこで仮想通貨を勉強しながらコンテンツを作ってくれるインターン生を募集してるんです。僕も共同経営者も相当このビジネスに賭けてコミットしてますし、チャンスはあると思ってます。

羽田

下山くんのコミットって破壊力すごそうだなあ。このインタビュー記事読めば熱量は伝わるかもですね。中途半端な人じゃダメでしょうね。

下山さん

コミットするっていう気合は求めます。その代わり現時点でのスキルセットは求めません。人脈も広がるし、相当エキサイティングな毎日になることは、お約束します。
低金利の時代、自分の資産を貯金以外の方法で運用するって選択肢は大あり。それが学生だったとしてもです。僕たちの列に加わることで、その知見を深めてもらうことにもつながると思うんですよね。

羽田

なるほど、わかりました。ということで再度告知です。この人、ご覧の通り少し変わった人のように思えますが、話せば全然まともなので先入観なくご応募ください!

下山さん

僕、イメージダウンになってませんかね……。でも、お待ちしてます!

■■ 募 集 ! ■■
仮想通貨のメディア立ち上げを手伝ってくれる大学生インターン生を募集します。主な業務はライターですが、やる気と能力次第でマネジメントやビジネスデベロップメントなどにも関わっていただきます。
■待遇:時給1,000円程度
■勤務地:東京大学本郷キャンパス付近のオフィス(湯島駅、本郷三丁目駅から徒歩5分)
■応募条件:週20時間以上勤務できる、やる気のある方であれば誰でも
■応募方法:[こちらのフォームからご応募ください]

取材後記

彼の事は実は高校生の頃から知っていた。キャリア甲子園に出場していたからだ。キャリア甲子園では優勝は逃したものの、その後大学生になってキャリア・インカレで優勝。東京大学という国内最高学府に通っていることもあり、これまでは正直「エリート」というイメージを持っていた。
いつもはひょうひょうとしている彼だが、プレゼンや勝負の時はいわゆる「正統派優等生」を演じているようにも見えた。ただその本性がどこにあるんだろう、と今回インタビューしてみたのだが、果たしてその正体は極めてピュアでシンプル。自分の関心のある事、気になる事に貪欲に向き合う一人の学生だった。
ピュアで居続けるのは、意外と難しいものだ。しがらみや常識やルールに縛られるうちに、人は次第にピュアネスを失っていく。
「自分は傷つきやすい」と下山君は言っていたが、それはきっとピュアだからこそだろう。
ただ、彼には傷つくだけで終わらない強さがある。そして何よりも、強さを求めて行動、挑戦してきた現実がある。
どうかこれからも、いつまでもピュアで脆くて、それでも強い下山君で居続けて欲しいと思う。
(取材/執筆:羽田啓一郎)
MY FUTURE CAMPUS責任者。企業の新卒採用の担当営業を経験後、キャリア教育事業の立ち上げを担当。大学の嘱託講師や政府の政策研究委員、新聞の連載コラムなども経験あり。会社の経費精算も苦手なくらい、お金の運用・管理は弱い。

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