「働く」と「学ぶ」の両立を考える!喜多恒介主催 平成Mastersの会 潜入レポート!



こんにちは! 学生スタッフのあおのです!
先日このMFCの過去インタビューでもおなじみの喜多恒介さんが主催者となって開催された「平成Mastersの会」というイベントに参加してきました。このイベントは、普段は働きながら大学院に通っている社会人を対象としたイベントで、今回が初開催となります。

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多くの方は、大学院とは大学生活が終わった後、就職せずに進学することをイメージするのではないでしょうか?何故、社会人として働きながら再び大学院に通うのか?僕自身、来年から大学院に進学予定なので、「働きながら大学院に行くとはどういうことか?」という疑問を抱き、今回イベントにメディアとして参加させていただきました。

社会人でありながら大学院にも学びに行っている方によるロールモデルピッチや、「すずかん先生」として知られている鈴木寛先生によるご講演、さらにゲスト登壇者と参加者のワークショップという充実したプログラム。
記事の途中には主催者でもある喜多さんへのインタビュー記事もありますので是非とも最後までお読みください!
(*こちらの記事は全て2017年8月時点のものです。)

社会人と学生の二足の草鞋を履く方々によるピッチプレゼン!


「学ぶ」と「働く」の両立という生き方を現場の最前線で実践している人による、リアルの告白。10人の登壇者によるピッチプレゼンからイベントはスタート。
登壇者それぞれが自身の経験に基づいて多様なプレゼンをしていました。ここでは何人かの方たちの話を抜粋しようと思います。
例えば、外資コンサルとして勤務しつつ美大の大学院に進学している加藤翼さんは「社内で早く帰るキャラを構築」「企業からの圧力を跳ね返すほどマイペースに進むことが必要」と話していました。

医学研究科の博士課程でありながら院長としても勤務する田澤雄基さんは「生涯を通して達成したいと思う自分のミッションを見つけ、その手法の1つとして大学院で学んでいる」とおっしゃっていました。経験に裏打ちされた深い話が数多く出てきました。
広告会社に勤務しつつ、その一方で自身のファッションブランドを立ち上げ、さらに京都造形美術大学の院生でもある中村暖さんは、どうやったら、世界の100万分の1の人間になれるのかというのを考え、その結果、1つの分野で1/100になり、それを3分野で達成することで、100万人に1人の存在になるということを現在目指しているということでした。そのために自身の名前である「中村 暖」、自身のファッションブランド名である「DAN NAKAMURA」、デザイナーのときの名前である「ダンナカムラ」というように、3つの名前の表記を使い分けているというのもまた斬新でした!

「博士課程なしでは世界で戦えない。」鈴木寛先生による講演


続いて、東京大学大学院、慶應義塾大学大学院にて教鞭を振るっていらっしゃる「すずかん先生」こと鈴木寛先生によるご講演でした。
冒頭に、「シリコンバレーでドクター(博士課程)を持っていない人は人間扱いされません。中国では、ドクターがないと会社の役員になれません。」という強烈な話からスタートした鈴木先生のお話。その後も博士課程を持っていないと海外の舞台でどれだけ下に見られるかということを経験ベースに話していました。
また、「10年大学から離れる間に、学んだ学問はかなり陳腐化する」など学問の進化の速さを非常に強調していたのも印象的でした。このために「人生において大学には3回行くべき。」や「マスター(修士課程)まではなるべくすぐに、ドクター(博士課程)は社会に出てからでも間に合う。」など熱弁を振るっていらっしゃいました。

白熱した講演者と参加者のワークショップ!


イベントの最後は、講演者が各ブースに分かれ、講演者を参加者が囲む形でワークショップを実施しました!みなさん、最初のピッチプレゼンで気になったことを質問したり、自分の今の選択についての悩みを相談したりし、それに対して、講演者の方々が1つ1つ丁寧に答えていて、質問も絶えることなく最後まで大盛況のままイベントは終了しました。

イベント終了後に参加者に感想を聞いた所、「自身のテーマを自分なりに持っていることが講演者の中で共通していることがわかった。そしてそのために働く、勉強するというツールを利用する生き方を自分もしたい」(30代、社会人)といった講演者の生き方を目指す意見や、「鈴木先生の『大学院に行かないと世界では通用しない、自分の専門を武器にして所属企業や世界に貢献することが大切だ。』という話が強烈だった。」(20代、学生)と鈴木先生の話に驚いた意見などがありました!

イベント開催者 喜多恒介さんへのインタビュー

喜多さん喜多 恒介氏
慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科に所属。「JASCA 一般社団法人全国学生連携機構」や「株式会社キタイエ」を立ち上げるなど精力的に活動している。今回の「平成Mastersの会」の主催者。

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あおの

どうして今回このようなイベントを開催しようと思ったのでしょうか。

喜多さん

数年前、僕が大学院に入った時には働きつつ、進学する人というのが周りの20代にはほぼいなかったんです。ですが、そこから1年経った時ぐらいからめちゃめちゃ増えてきて、この流れがくるかな、と思ったのがきっかけです。

あおの

僕の先輩にもそういう選択をした人が確かにいます。

喜多さん

そしてもう一つが、実際に自分が院に行ったことで自分の仕事に院の研究が役に立ったので、この生き方って面白いなと思ったことです。

あおの

喜多さん自身は、どのように院の研究が仕事に活きてきたのでしょうか?

喜多さん

僕の専門がソーシャルキャピタルという、人と人の繋がりが社会を豊かにするという取り組みなんですけど、持続可能なコミュニティのあり方や、NPO経営に近い部分をどうビジネスに転換できるのかという事例の学びが実践で活かされていますね。

あおの

「働くこと」と「学ぶこと」を両立する生き方への意識改革ということでしょうか。

喜多さん

いやそういうことではなく、両立する生き方は役に立つし面白いよと。同時並行でいく道もありなんじゃないかということを提唱し、それを広めようということで開催していますね。

あおの

喜多さんが新たな働き方を提唱する一方で、政府でも「働き方改革」白書を出すなど社会への働きかけをしていますが、どう評価していますか?

喜多さん

働き方改革というと、多くの方は労働時間の削減をイメージすると思うんです。でも果たして、それで日本人の生産性が向上するのかという部分が問題で、誰もどうすれば生産性が向上するか、理解していないと思うんですよね。

あおの

その点で大学院に進むことで向上が期待できるということでしょうか。

喜多さん

そうです。大学院に行って研究をしっかりやることで、自分自身が何をやりたいのかも見えてきますし、そこから新規事業立案や起業にもつながります。また、様々なアカデミックな分野を取り入れることで思考の幅が広がり、物事の根本を捉えた思考ができるようになります。生産性の向上にめちゃくちゃ寄与するんじゃないでしょうか。

あおの

登壇者の方々は学問・思考を深めているのか広げているのかどっちというのはあるんですか。

喜多さん

人それぞれですね。広告代理店やっててロボットやりたいという人や、コンサルやっててアートに興味ある人もいます。みんなワクワクする方に走っているんだと思います。

あおの

ワクワクする方に走るというのは1つのキーワードになりそうですね。

喜多さん

結局ワクワクするものであれば、めっちゃ注力して取り組みますし、切り開こうとするじゃないですか。こうしてワクワクに従うのが生産性向上の切り札じゃないんですかね。

あおの

ですが参加者の経歴を見ていると、みんなアート・芸術などが多くてMBA習得などが少ないなという印象を受けました。

喜多さん

そこに関しては世間の認識を改めた方がいいと思います。大学院=MBAって思っている人めちゃめちゃ多くないですか?

あおの

おっしゃる通りだと思います。

喜多さん

ビジネスだけが学ぶべきことではないですし、むしろアートとかテクノロジーとかの方が主流になっているはずなんですよ。そこに気付くべきですよね。

あおの

僕も恥ずかしながら、「社会人での大学院」と聞くと、ビジネス関連が多いのかなと思っていました。

喜多さん

結局、みなさんの大半は思い込みで生きていますよね。

あおの

思い込みですか?

喜多さん

休学しちゃだめとか、留学しちゃだめとか、働かなきゃだめとか。こういうのって大概嘘ですからね(笑)。

あおの

喜多さん自身が、思い込みの部分に気づいたのはどういうことからですか?

喜多さん

「普通」から外れているなっていう人を見て、なんで外れているのかを考えているうちに、自分の中の、「外れていない人」の枠組みが思い込みなんだなと思うようになりました。ただ外す必要のない思い込みもあると思います(笑)。

あおの

それはどんな思い込みでしょうか?

喜多さん

ポジティブな思い込みは外す必要がないです。例えば「俺は日本を変えてやる!」って思い込みは外す意味がないですよね。社会にそういういい思い込みを広げることも日本がよくなるためには大切かなと。

あおの

そういう点では、今回のイベントもそういう意図があるんですか?

喜多さん

どんないい思い込みをこの社会に作るのかということを大学院での学びから習得することはできるよ、っていうところですかね。あくまで実験的なものです(笑)。

あおの

このような会は今後も開催していく予定なんですか?

喜多さん

必要があればって感じですね(笑)。 前に「休学の会」というイベントをやりましたが、一回やったら全国に休学の動きが飛び火してやる必要がないなと思ったんで。今回もまたやる必要があったらやろうと思っています。

取材後記

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私自身、大学院に進むことで社会に出ないという選択を取っていました。それは主に大学院で学びを得てから社会に出るほうがいいと判断したからでした。ですが、喜多さんをはじめ、登壇者の人は社会で役立つスキルを得る手段として院進学を使っており、自分がある種の固定観念に縛られていたことに気付かされました。大学1~3年生の人たちはまだ沢山の選択肢を持っている段階だと思いますので、一度両立という道を考えてみてはいかがでしょうか。

(取材/執筆:あおの)
MY FUTURE CAMPUS学生スタッフ。現在東京大学農学部4年生。
農学系の大学院に進学予定。サッカーは小学校から続け、現在もサークルに所属。
またアフリカに2度渡航経験あり。将来の夢はアフリカの農業ビジネスを立ち上げつつ、子供達とサッカーを通じて交流を深めること。