文系だからこそできる、エンジニアとしての働き方 in シスコシステムズ



“世界最大級”のネットワーク機器開発会社である「シスコシステムズ」(以下、シスコ)。同社は多くの実力あるエンジニアを擁していますが、その中に文系出身のエンジニアがいます。どのような意識を持てば文系学生が世界規模のネットワーク会社でエンジニアになれるのか? その歩みを坂倉さんに赤裸々に語ってもらいました。

登場人物

板倉さん
慶応義塾大学文学部人文社会学科フランス文学専攻。趣味は映画鑑賞。最近は社会人大学院にも通っており、常に知識の探求に勤しんでいる。

ゆうた
商学部三年生。高校2年生からMFCの参加者だったが、運営側にもまわりたいと思い、約1年間インターン勤務をしている。現在、18卒として就職準備中。

トラブルに対して顧客・シスコの協力体制を築く役割

ゆうた

MFC学生スタッフのゆうたです。前回新入社員で理系お三方にインタビューさせていただきました。今回は、文系出身のエンジニアとして活躍している坂倉さんにお話を伺いますが、現在はどのようなお仕事をされていますか?

板倉さん

私は現在ハイタッチオペレーションズ・マネージャーという役職についています。ハイタッチとはお客様に直接関わるという意味。このポジションに至るまでにSEとしての経験も積みました。ところでゆうたさんは、ネットワークの仕事について、単にルーターを売るだけだと思っていませんか?

ゆうた

なんとなく機器と機器、パソコンとネットワーク・システムを繋ぐ仕事かな? と思っています。

板倉さん

シスコにはルータなどの「製品」を売る「プロダクトセールス」だけでなく、お客様の設計やネットワークの安定性向上のサポートをする「AS(アドバンスドサービス)」、実際に運用に入っている機器で障害が発生した際に対応を行う「TS(テクニカルサービス)」という2つのサービス部門があります。わたしが所属しているのは障害担当のテクニカルサービスです。ASにはお客様の設計やネットワークの安定性向上のサポートをする「NCE(ネットワークコンサルティングエンジニア)」、TSには実際に導入後に発生した問題の解決を行う「CSE(カスタマーサポートエンジニア)」がいます。私が所属しているのはTSです。具体的には重要障害のハンドリングが主な仕事で、そのために開発チームとエンジニアチームを繋ぐ役割も担っています。

ゆうた

導入後の障害対応って、つまりそれってお客様がかなり怒っているところに訪問して対応するわけですよね……。

板倉さん

そうです。トラブル対応ですからね。でもちょっと落ち着いて考えてみましょう。一番悪いのはトラブルそのもの。それを解決したいのはお客様とシスコにとって共通の目的です。つまり現在の私のハイタッチオペレーションズ・マネージャーという役割は、お客様と一緒に頑張ってトラブルを解決していきましょうという構図を築くことでもあるんです。

フランス文学専攻からエンジニア志望に。そのきっかけは?

ゆうた

坂倉さんはフランス文学専攻ですが、なぜエンジニアに?

板倉さん

最初はフランス文学の教授になるのもいいなあと思っていました。しかし文学研究の世界って狭いと思ったんです。そこで就活もしてみました。当社の説明会に参加したときに、社員から「キミはエンジニアっぽいね」と言われました。その発言をした当の本人は深く考えてなかったかもしれませんが、この一言が当時の私には新鮮でした。

ゆうた

すみません。ひょっとしたら無責任かもしれないその一言が、どうして坂倉さんに衝撃を与えたんですか?

板倉さん

文学部の学生が面接に行くと、「マーケティングをやってもらおう」「まずは営業からだね」という流れが中心です。エンジニアという言葉はまず聞かれません。でも当社はそうじゃなかった。「文系だけどエンジニアの仕事できるかな?」と意識し始めて、当社にエントリーをしてみました。そうしたら選考が進む中でユニークな社員が次々と登場してきたんです。

ゆうた

採用面接の場でおもしろいエピソードがあったんですか?

板倉さん

エンジニアにもいくつか種類があって、最初に希望職種を選択するのですが、私は漠然と難しそうだなと思った職種は選択しなかったんです。そうしたら面接の時にその職種の方が現れて「キミはいける! 私が希望職種のところにチェックしておくね」と言われました(笑)。 二次面接では「ルーターってわかりますか?」と聞かれ、正直にわからないと答えたら「じゃあ、何でもいいから好きなことを話してください」と。当時私が抱いていたエンジニアのイメージを「いや、そうじゃないんだよ」と根気強く説明してくれたのも当社でした。

ゆうた

ユニークな社風なんですね(笑)。ただそれでも文系学生がエンジニアの世界に飛び込むことに不安はなかったのですか……?

板倉さん

じつは学生の頃から文系・理系という分け方に疑問を持っていました。例えば経済と管理工学って似ているし、哲学と数学なんて言葉やツールは違うけれどロジカルシンキングを積み上げていくアプローチはそっくりでしょう。そんなことをずっと考えていたので、文系だけどエンジニアもいけるかなと思いました。

SEとして自分の力を発揮できる土俵を見つける

ゆうた

実際にエンジニア職に就いて、苦労したことはありますか?

板倉さん

もちろん山ほどあります。いかんせん基本知識がありませんからね。同期は理系出身で研修や資格試験の勉強はみんな理解がはやいです。私は取り残された気持ちになっていたのですが、研修の講師がこれまた文系出身・慶應義塾大学出身で励ましてもらいました。本配属を決める際にもシスコらしさというか、上司の言葉と判断に助けてもらいましたね。

ゆうた

本配属決定時にも、おもしろいエピソードがあったんですね。

板倉さん

上司からある物理の公式について聞かれ「知りません」と答えました。すると上司は「他の同期はこれを知っている。それが文系出身者と理系出身者の違い。理系の教養を今から身に付けることはできない。しかし坂倉さんにしか勝負できない土俵があるはずだよ」と指導してくださったんです。その最初の土俵はSEとして関わった地方銀行の仕事。全国各地を飛び回ってひたすらお客様の声をダイレクトに聞き解決策を提案する毎日でした。

ゆうた

まさに現場でSEとしての経験を積んだわけですね。

板倉さん

はい。その後はより専門的な種類のエンジニアに職種変えをして、NCEとしてひたすらルーターの検証をしていました。導入前にディテールを徹底的に検証するのですが、ここでは大きな技術力を得られたと思います。初めて「エンジニアっておもしろい」と思いました。その後面接で勧められたCSEにもなりました。このような様々な経験のおかげで、私はお客様の声・エンジニアの知識を共に蓄積することができました。

一つの仕事・プロジェクトをロードマップから説明できる強み

ゆうた

理系分野の話を聞いていると、いつもは「ん? ん??」と分からなくなってしまうのですが(笑)、坂倉さんのお話はとても分かりやすいのが不思議です。

板倉さん

ありがとうございます(笑)。ゆうたさんが私の言葉をわかりやすいと感じるのは、説明についてのアプローチがやはり文系だからかな?

ゆうた

ものを説明するときに文系・理系の違いってあるんですか?

板倉さん

理系出身の同期はディテールの説明から始めて一つひとつ検証していきます。一方で私は全体像を見ることから始めます。ですからプロジェクトのロードマップをお客様に説明することは、ひょっとしたら上手かもしれません。

ゆうた

ところでシスコはやはり英語が得意じゃないと厳しいでしょうか?

板倉さん

その心配は無用です。確かに技術の資料は英語がほとんどですから英語にアレルギーがあるとキツいです。しかし技術用語はある程度決まっているので、そんなに構える必要はありません。

ゆうた

最後に坂倉さんの今後の夢を教えてください。

板倉さん

現在のハイタッチオペレーションズ・マネージャーの仕事は昨年から。そのため今はひたすらその仕事をスムーズに行うことに集中しています。しかしある程度この仕事に余裕を持てるようになったら、お客様と一緒に新しいサービスを作っていきたいですね。たくさんの人に会って、多くのオペレーションの改善を行い、お客様の業務をもっと楽にすること。これが当面の私の目標です。

取材後記

ゆうた

高校生の頃に「文系コース」を選択した時点で、将来エンジニアという理系の仕事に就くことは難しいだろうと思っていました。ですが、そんなことは無いんですね。文系出身だとしても、坂倉さんのように大手外資系IT企業であるシスコのエンジニアになれるんです。「やってみたいけど文系だから無理かな……」ではなく、一歩理系の世界に踏み出してみるのも良いかもしれませんよ!

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