「おいしいの向こうへ」食文化の未来創造について聞いてみた! in らでぃっしゅぼーや


有機・低農薬野菜、無添加食品等の宅配サービス業者としてパイオニア的存在のらでぃっしゅぼーや。同社の徹底した「安心・安全」へのこだわりを、ニュース番組などで知っている人も多いでしょう。しかし今、スーパーに行けば有機野菜や無添加食品はたくさん並んでいます。その中で、らでぃっしゅぼーやがどのような差別化を図っているのか、そして次はどんなフィールドへ進もうとしているのかを伺いました。「野菜の皮なんてむいたことない」そんな学生にこそ知ってもらいたい企業です。

登場人物

nishine
2009年に同社の企業理念に惹かれて転職。採用が決まったときには友人たちに「自分の仕事が社会や未来に繋がるんだ」と胸を張って自慢した。入社後まもなく参加した社内イベントでお客様、生産者の人々と語り合った夜が仕事の原点。1児の父親でもあり、休日に子どもと遊ぶのが憩いのひととき。

yuta
MFC学生スタッフ。小学校3年生の頃に自宅でカレー作りに挑戦して指を怪我し、それ以来料理とは無縁。最近、再チャレンジしたいとは思っている。

全国に16万世帯の顧客を抱える有機・低農薬野菜、無添加食品等の宅配サービス企業

yuta

MFC学生スタッフの秋元です。「らでぃっしゅぼーや」といえば有機・低農薬野菜を宅配する企業の草分け的存在だと思うのですが、かなり早い時期から食の安心・安全にこだわってこられたんですね。

nishine

当社は環境NPO「日本リサイクル運動市民の会」を母体にして1988年に事業を開始しました。当時から有機・低農薬の野菜にこだわり、加工食品も食品添加物を可能な限り使用しない物、放牧豚など飼育技術にこだわって生産された肉など、徹底して安心・安全の食材をお客様にお届けしてきました。現在は肌にやさしいシャンプーなど環境にもやさしい日用品も揃えています。「有機・低農薬農産物の生産と消費の輪を広げることで、持続可能な社会を実現する」の理念のもと、現在は16万世帯のお客様へ宅配しています。

yuta

原材料はもちろん包装資材まで材質を確認するなど、御社のかなり厳しい基準についてはニュース番組などでも聞いたことがあります。ただし、少しお値段が高い……という話も聞きます。

nishine

ええ、よくご存じですね(笑)。中には高い商品もあり、なるべく多くのお客様が手の届きやすい価格帯に近付けていくことは課題の一つ。一方で16万世帯のお客様が利用されており、食に対する意識の高まりを強く実感します。秋元さんが小学生だった2000年代は日本でも食品に対する信頼が揺らぐ問題が頻発しました。それまで食品の安全性を疑う人はあまりいなかったのですが、製造のプロセスもちゃんと知りたいと思う人が増え、更に東日本大震災以降は、これまでフォーカスされてこなかった放射性物質の検査体制も食材を選ぶ際の判断項目に加わりました。このようなお客様の意識の変遷に当社が先駆けて対応してきたことも顧客数に繋がっていると思います。

yuta

やはり御社のお客様は環境意識の高い人が多いのでしょうか? 今の時代は安く手に入る食材もたくさんありますよね。

nishine

確かに環境への関心が高いお客様は多いですが、例えば秋元さんがお父さんになったときに、やはり自分の子供には安心・安全なご飯を食べてほしいでしょう? 当社のお客様も妊娠や出産がきっかけで入会する人が多いです。おそらく食について消費者の意識は二極化していくと思います。安さを重視する人と多少高くても安心・安全にこだわる人。私たちが勝負したいのは、言うまでもなく後者の人々に支持される市場です。

NTTドコモとの提携で食をイノベートし続ける

yuta

ところで有機・低農薬の野菜を販売するスーパーや企業がどんどん増えています。なかなか差が付きにくい時代なのかなあとも思うのですが……。

nishine

有機・低農薬、無添加食材を扱う業者は、秋元さんの言う通りどんどん増えています。当社のように生産者とパートナー関係を結び、独自の基準のもとに商品を作っている企業はまだまだ少ないのですが、このような時代の中で、らでぃっしゅぼーやは生き残っていけるのかと、きっと秋元さんは心配しているでしょう(笑)。実は当社は2012年にNTTドコモの子会社になっています。

yuta

 NTTドコモですか? ケータイ会社との資本提携は正直、意外です。

nishine

NTTドコモの企業ビジョンに「スマートイノベーションへの挑戦」が掲げられており、その中に「安心・安全で心地よい暮らしの支援」という項目が謳われていますが、当社の経営理念と非常に合致しており、実はとても自然なことなんです。NTTドコモのグループ会社になったことで「人」が変わりました。当社の社員とNTTドコモの社員が出向でそれぞれの会社で働いているのですが、NTTドコモの洗練されたビジネスの作法を学ぶことで社員の成長にも変化が現れ始めています。また、事業活動においても大きな変革が生まれています。以前の当社のECサイトは商品画像のない、お客さまにとって使いづらいものでしたが、周辺システムへの投資も含め大きくリニューアルしました。また全国のドコモショップで当社の商品を購入できる等、私たちはグループの支援により、強い販売チャネルを加えることもできました。こういったビジネスを大きく変革させる取り組みはこれまでは生まれにくかったものです。

yuta

NTTドコモの強みを御社の事業に上手に取り込まれてますね。今後も順風満帆にらでぃっしゅぼーやは伸びていきそうですが……。

nishine

当社が極めて高い基準で安心・安全にこだわっていても、実際にお客様から見たら大きな差が見えにくいのは事実です。らでぃっしゅぼーや自身も変化して、さらに当社にしかない特徴・強みを持たなければいけません。当社は以前から「おいしいの向こうへ」というスローガンを掲げていますが、それは食品の先にある豊かな生活をとらえています。今後はライフスタイルの提供にも踏み込んださらにイノベーティブな事業を展開していきます。

安心・安全の食品宅配から、未来のためのライフスタイル提供企業へ

yuta

「豊かな生活」というライフスタイルの提供とは具体的にどんなイメージですか?

nishine

では食卓の会話を例にしてみましょう。例えば春キャベツを使った料理がテーブルの上にあり、「今日のキャベツおいしいね」「春キャベツだからね」「もうそんな季節なのかあ」という会話には、旬の食材を楽しむだけでなく四季の移り変わりを実感し、その背景にある日本の歳時記や文化へも思いを巡らせることに繋がります。そしてそれを知ることが、子供の食育にもつながります。食を通じたライフスタイル提供とは、その場でお腹を満たせたら十分という刹那的なものではなく、食を通じて文化や生産者さんの思い、そして親から子への願いも継承させていけるものだと思います。いろんな食べ物があっていいんですよ。ただしそこに「よい食べ物」の選択肢を私たちは増やしたいのです。

yuta

西根さんの話を聞いて、御社の事業は「心を豊かにするための社会貢献」でもあると感じました。そんな職場で働くにはどんな人が向いていますか?

nishine

当社の契約生産者さんの姿勢を見ると求める人材像がよくわかると思います。基本的に農薬をつかわないので暑い夏の日でも無心に草むしりをします。健康や次世代の子供のためによいと思った生産方法があれば、周囲に流されることなく、未来を優先します。そのためには理想を実現する長期的な視野と、目的を達成するためには辛いことを厭わない忍耐力が必要です。これは当社の社員も同じです。そして「自分はあまりニンジンを切ったりしないんですけど……」という学生も大いに歓迎しますよ。

yuta

本当ですか? 僕もキッチンに立つことはほとんどなく、旬の野菜をいくつ答えられるかどうか怪しいレベルですが。

nishine

よくお客様目線という言葉が使われますが、これは使い方を間違えると危険です。自分自身と、その商品を最も買いそうなターゲット層とが合致した場合、自分を基準にしがちです。一方でターゲット層から離れている場合は、勉強しよう、お客様を理解しようと努力しますよね。自分で考えるというプロセスが当社のビジネスには必要ですから。

yuta

なるほど、よくわかりました。それでは最後に学生へのメッセージをお願いします!

nishine

学生時代に社会や未来の環境について熱く議論しても、社会人になった途端その熱意がどこかに行ってしまう人もいますが、当社には社会を考えられる環境があります。世の中にはたくさんの会社があるので、就活を通じて学生のうちにどんどん見てください。その中で「この会社なら本気を出してみたい」「社会や未来に微力かもしれないけれど貢献できそうだ」そんな仕事や企業を見つけてください。当社はそんな皆さんの思いをやりがいに変換できる企業だと思います。

取材後記

yuta

いかがでしたか? おいしい、ではとどまらない。「おいしいの向こうへ」進む『らでぃっしゅぼーや』について少しでも知っていただけましたでしょうか。余談になりますが、取材をさせていただいた西根さんやその他の社員さん達は本当に穏やかな目をしていて、「暖かい会社なんだろうなぁ」というのが私の印象でした! そんな皆さんだからこそ、食品の先にある豊かな生活を提供できるのだと思います。

permalink.
PAGE TOP