『デザイン思考』について聞いてみた! in ケセラセラ


デザインと聞くとつい「形や色などを工夫すること」をイメージしがちですが、本来は計画の立案や構想のまとめなどの意味も持ちます。今回、株式会社ケセラセラが主催するビジネスコンテストに設定しているテーマは「海外にデザインビジネスを仕掛けよ」という壮大なもの。デザインの意味が幅広いため迷う参加学生もいるはず。そこで改めてデザインの意味、そしてデザイン思考とビジネスの組み合わせの実例も伺いました。参加しない学生にとっても視点の切り替え・問題解決プロセスなど参考になる話が盛りだくさんです!

登場人物

yokoya
人事・プロデューサー・プランナー・コンサルタント、という複数の役職を掛け持つ。掴み所の無い不思議な方だが、若者への期待と熱意はとても強い。

yuta
MFC学生スタッフ。約1年間のインターンシップ終了が近づき、一抹の寂しさを感じている……。

デザインは意匠だけじゃない。世の中のものすべてがDesignされたもの

yuta

MFC学生スタッフの秋元です。まずはケセラセラがどんな事業を展開しているのか教えてください。デザインやシステム領域の会社……だけでもないような。いったいどんな会社ですか?

yokoya

おそらく秋元さんはデザインに力を入れている制作会社だと考えているでしょう。テーマにも「デザインビジネス」という言葉がありますからね。ですがそもそも、世の中にあるものはすべてデザインされたもので、モノだけでなく社内制度や法律などもDesign=設計・構想されたものです。そう考えると当社は「じゃあ、何でも屋ですか?」と言われそうですが、ええ、本当に何でも屋ですよ(笑)。

yuta

(笑) 。何でも屋さんということですが、それでもやはり事業の得意分野などはあるのでしょうか?

yokoya

得意分野というか最大の売りは何かと聞かれたら「人材、人」です。

yuta

「人」ですか? 「人」が中心に商材を売るというと商社をイメージしますが……。

yokoya

そうですね。当社は企画営業がどこに何を売っても良いことになっています。そこに縛りはないし、マニュアルもありません。なので、各社員が主体となって商材を売るという視点で考えると、制作会社ではありますが商社に近いかもしれません。デザインを扱う商社ですね。
たとえば商社の社員は営業先に出かけて、まずはジュースなどの小さな商品から売り、徐々にジュースをつくる工場、運搬するシステムなど範囲を広げていきます。当社に例えると……最初はチラシやパンフレットなどのグラフィックデザインやWebデザインできっかけをつくり、次にECサイトを開設してイベントで認知を広め、動画を作成してYouTubeで放映。店舗を新設するなら空間デザインも行う。ユーザー向けのサービスだけでなく、社内イントラや企業ビジョンの再構築事例も多いです。新事業や採用のコンサルティングも増えていますね。社員の15%が外国人で翻訳やインバウンド、アウトバウンドの仕事も多い。そういった多様な事業に対応できる人材を抱えているという点が強みだと思います。

yuta

なるほど。つまり、ケセラセラは「人」を中心にビジネスをデザインする何でも屋、ということですね。となると、今回のビジコンのテーマである「海外にデザインビジネスを仕掛けよ」。これも海外を舞台に何でもいいからビジネスをデザインしてほしいという意味ですか?

yokoya

そうです。当社は現在、国内5拠点の他にシンガポールとインドと韓国に海外拠点を持っており、当社の定義するデザインは国に関係なく通じるものだと考えています。世界は広くその分価値観も多様ですが、一方で日本の従来のやり方のビジネスでは通じないこともあります。例えばある国・地域を特定し、その国・地域に何が必要なのかを見つけ出すこと、つまり問題解決の視点からスタートすると具体的な提案がしやすいでしょう。

yuta

問題解決という視点はまさに「デザイン思考」の重要なポイントの一つですよね。ユーザーの視点に徹底的に立って、消費者のインサイト、つまり消費者が真に望んでいるものを見つけ出してから良いモノをデザインしていく手掛かりを見つけるというか……。

yokoya

うん、よく勉強してますね(笑)。今回のテーマに「デザイン思考」も大きなキーワードになっていますが、私自身はあえてこの定義を今ここで語ることはやめます。秋元さんの考えるデザイン思考が先ほどのプロセスなら、それも正解です。今回参加する学生の皆さんは、それぞれにデザイン思考の定義が異なっていても構いません。定義づけは皆さん自身で考えてもらっていいのです。

「デザイン思考」×「ビジネス」で生まれた成功例とは?

yuta

では御社の「デザイン思考」の事例を紹介していただけますか?

yokoya

ある地域で長年ブライダル事業を展開している企業がありました。後発のブライダル会社の勢いに押されている中で、Webサイトのリニューアルをしたいということでコンペを開催し、そこに当社も参加しました。さて、秋元さん。ここで何か疑問というか違和感を覚えませんか? 先ほどの「問題解決」の視点でちょっと考えてみてください。

yuta

うーん。そもそもWebサイトのリニューアルだけでいいのかなという気がします。後発のブライダル会社に押されているということは、何か原因があるはずですよね。

yokoya

さすが。鋭いですね。当社はサイトのリニューアルよりも、まずはその企業の結婚式のスタイルの見直しから提案しました。そんな根本からの提案をした会社は他にありませんでした。その企業は伝統的な結婚式のスタイルにこだわっていたのですが、そのエリアに住んでいる花嫁たちが望むスタイルはもっと違うものでした。そこで当社のヒューマンネットワークを生かして、ニューヨークで活躍するヘアメイク・アーティストに協力をいただき、後発のブライダル会社ともまた異なるリゾートスタイルの結婚式を提案しました。ブライダル会場もリニューアルし、その空間デザインやオペレーションにも当社のアイデアを反映しました。結果、大きな反響をいただきそのエリアで上位に入る人気ブライダル会場をつくることができました。

yuta

すごい! そのプロセスはブライダル会社にとっての利益というよりも、そのエリアに住んでいる花嫁にとっての喜びや感動を優先していることにもなりますよね。結果、ブライダル会社の売上にも繋がったと。

yokoya

海外の事例だと、シンガポールの日系旅行会社のサイトリニューアル(http://www.tabirucchi.com/)の話もおもしろいですね。ただサイトをリニューアルするだけでなく、そのサイトを広めるために、営業担当(シンガポール拠点長含む…)自ら、まるで有名歌手グループのようにサングラスと黒スーツで決めて、カンボジアを旅する動画を作成。その動画がユニークでサイトのプロモーションに役に立ちました。クライアントに対してパワーや結果を提供できるのなら、その手法や企画内容に制限は設けない。枠に囚われず考え、実行する。皆ができているわけではないですが、大事にしたい考え方ですね。そうそう、そのシンガポール拠点長が言っていました。やはり海外では俯瞰して物事を考えたり、いろんな人や会社を巻き込んでビジネスをしていくことが大事だと。日本で仕事をするより海外のほうがビジネスマンとして鍛えられるとも言っていましたね。
あと、手法で言うと最近はプロジェクションマッピングも可能です。関西弁ベラベラなベルギー人女性のプロフェッショナルが在籍しています。シンガポールナショナルギャラリーのインタラクティブな事例を紹介しておきますね。紹介動画を見てください。
同じような内容でも日本人と海外だと反応が違うそうです。シンガポールは中国系、マレー系、インド系など人種によっても反応が違うとのこと。その国のユーザーのインサイト(洞察、心の中)を如何に深く掴むか。海外の人を感動させるためには、そこがポイントかもしれないですね。


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