ダイレクト・コミュニケーションだからできる、次世代の広告とは? in ディーエムエス


広告=マスコミというイメージを持つ学生はきっと多いはず。広告業界への就職を希望している学生の多くは総合広告代理店ばかりを見ているかもしれません。しかし広告業は想像以上に幅広いです。今回取材したのは「ダイレクト・コミュニケーション」の老舗広告会社。設立時から「1対1」の広告戦略を実践してきた企業です。価値の多様化で広告の在り方が変わる今、同社の取り組みには次世代の広告のヒントがたくさんあります。

登場人物

tomishima
成城大学経済学部出身。管理本部 総務部 人事・労務グループ長。入社後は営業を経験し、現場での封入や配送などの業務を経て、現在は採用・教育業務に幅広く携わっている。趣味は野球や旅行。休日は食べ歩きを楽しんで気分転換している。

yuta
MFC学生スタッフ。インターンを開始して10カ月になるが、未だに電話対応は少し苦手……。

「1対多数」から「1対1」で広告を仕掛ける時代に

yuta

MFC学生スタッフの秋元です。今回「広告業」の取材に伺ったわけですが、じつは御社のホームページを見ているうちに、あまりにたくさんの仕事を手掛けておられるので、どこから質問すればよいのか迷っています。

tomishima

無理もありません(笑)。新入社員も、当社の扱う仕事の全体像を理解するのに毎年苦労していますよ。当社は「ダイレクト・コミュニケーション」を展開している企業です。このダイレクト・コミュニケーションを成立させるためにはセールスプロモーションやイベントはもちろん、物流の仕事も必要になるため、当社ではそれらをすべて網羅した事業を行っています。では「ダイレクト・コミュニケーションって何?」と思いますよね。それを理解するために「マス・コミュニケーション」との比較からお話ししましょう。秋元さんならきっと「マス・コミュニケーションは不特定多数の大衆(mass)に向けた情報伝達」ということはご存知でしょう?

yuta

はい。ただしかつてのマス・コミュニケーションの神通力のようなものが現在は通用しづらくなっていることも知っています。私自身もあまりテレビを観ませんし……。

tomishima

よくご存じですね。事実、日本の近代の広告はテレビ・ラジオが始まりでした。1960年代に高度経済成長がやってきてみんな豊かな生活に憧れて懸命に働き、テレビを購入したならばご近所で大騒ぎでした。当時の人々はテレビなら何でもよかったんです。ブラウン管の発色がどうとか音がもっとクリアならいいのになんて思ってもいなかったでしょう。購入する人つまりターゲット層が同じ方向を向いていたので、テレビ・ラジオや新聞などのマス媒体を使った広告には効果がありました。しかし80年代になると状況が変わってきます。

yuta

80年代、つまりバブル時代の幕開けですね。当時の日本人は高価なものをたくさん買ったという話を聞きました。

tomishima

いわゆるバブル時代は1980年代後半から1990年代のかなり初頭までですが、実はそれ以前にすでに日本人は世界一のお金持ちになっていました。すでに欲しい「物」はある程度手に入れていたわけです。すると今度は趣味や嗜好にお金を使うようになりました。みんなと同じ物が欲しいのではなく、自分にしかできない体験やほかの人が持っていない物に興味の対象が移り、1990年代には「個性化」と呼ばれる時代がやってきました。こうなると同じ方向で情報発信しても反響は得にくいです。さらに2000年代に入ると、マス媒体での発信はますます難しくなります。個性化がさらに熟成して「多様化」の時代になり、「共感」がキーワードになったんです。

yuta

モノを買うのに「共感」が必要? つまりそれはモノに秘められた「ストーリー性」に惹かれる人が増えているのですか?

tomishima

その通り。ブランドイメージという言い方もできます。「マーケティング3.0」という言葉もありますが、これまでの時代は製品中心や消費者志向だったのに対し、これからは「価値主導」と言われています。若い人ならパソコンを例にするとわかりやすいですね。同じパソコンでも価格ではなく、創業者の理念や言葉に共感して買う人がいます。こうなってくると広告は「必要な人に必要な形に加工して必要な情報を伝える」方法でなければ反響が得られません。つまり「1対1」の広告戦略が必要で、それをいち早く展開していたのが当社なのです。

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マスからダイレクトまで、コミュニケーションの変遷についてご説明頂きました。

日本初のシステムを導入し、知りたい情報を知りたい人だけに伝える

yuta

御社はダイレクトメールの老舗企業と聞きましたが、直接消費者に情報を届けるという点で「1対1」広告の先駆け企業ですね。

tomishima

はい。DMに特化した会社“でした”。そう、過去形なんですよ。確かに創業当初はDMの宛名を書いており、当時の社員は達筆ぞろいだったそうです。しかし大量のDMを取り扱うようになり封入作業も困難になり、当時日本になかった自動封入マシンをわざわざヨーロッパから仕入れて作業していました。また当時の顧客データは紙でまとめた顧客台帳でした。紙はDMを送りたい対象者の抽出に時間がかかります。そこで紙に属性ごとに位置を変えて穴をあけ、紐を通すことで「趣味が旅行」など特定の属性の人をまとめて抽出する方法も日本で初めて考案したそうです。

yuta

そんな手法があったんですね。私の世代にはかえって新鮮に聞こえます。御社は積極的に新しいシステムを導入されてますが、これは創業当初からの社風なんですね。

tomishima

機械化・システム化にはいち早く取り組み、日本で初めて当社が導入した新システムの事例はたくさんあります。ではその一例を紹介しましょう。秋元さんが通信販売で2回高価なカニを注文したとします。間違いなくカニ好きなわけですよね。家に帰ると通販会社からDMが届いていました。そこには新鮮なカニの写真があり、しかも値段も安かった。となるとやはり買いたくなりますよね。もしそれがウニや鮭の写真だったら秋元さんはどうしましたか?

yuta

大好物ではないウニや鮭の広告をされても、きっと関心は示しません。そのDMをそのまま捨ててしまうかもしれません。

tomishima

そうでしょう。当社はクライアントから顧客データを預かっており各個人の購買履歴をデータ分析しています。そしてその人が何が好きかを抽出し、DMにプリントする写真内容まで個別に分けて印刷、配達するシステムを持っています。多様化の時代ですから選ぶ基準も人それぞれ。別のある人は商品よりも価格に関心を示す購買パターンを持っていれば、DMに印刷する内容は商品ではなくクーポン券や「30%割引」というコピー。このように一人ひとりのお客様に合わせてプリント内容を変更するDMのシステムを持っている企業は珍しいです。

yuta

す、すごいですね。まさに「1対1」の広告を形にしてますね。他にも御社だけ、あるいは御社が日本初というシステムはありますか?

tomishima

たくさんあります。学生の秋元さんなら通販で本を買うことも多いでしょう。1冊だけ注文したときに、届いた段ボールとその梱包を見て「なんか紙資源がもったいないなあ」と感じたことはありませんか? そこで当社が手掛ける物流では、日本初導入の自動梱包マシンが稼働しています。これは商品の高さに応じてパッケージのサイズを自動で調節することが出来るマシンです。これによりパッケージを最小化することで配送のムダやコストを軽減でき、社会にとっても省エネルギーという価値をもたらします。

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1 to 1コミュニケーションの裏側? の秘密を知ることができました!

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