【日本航空】「2023年、日本において社会課題となっていると予測される事象を一つ取り上げ、JALがそれをどのように解決できるかを考えて提言せよ」


日本の翼として世界中の空に羽ばたいている日本航空(JAL)。誰もが知る航空会社ですが、「キャリア甲子園2016」で掲げるテーマは、空・飛行機だけにこだわっていません。「2023年の日本における社会課題」という大きな枠を設定したのはなぜか? 飛行機をあまり知らない高校生にも挑戦できるテーマなのか? JAL自身の挑戦も紐解きながら、このテーマを選んだ理由について伺いました。

お話をしてくれた方 今北 恭平さん
日本航空株式会社 コーポレートブランド推進部 ブランド戦略グループ
profile_jal2005年入社。入社後は予約センターおよび羽田空港でお客さまと直接応対する現業部門に約3年間従事。その後2008年より本社部門に異動し、カスタマーサポート業務およびマーケティング戦略、企画を約6年間担当した後、2014年11月より現在のブランド戦略を担当。趣味はスポーツ観戦と3歳の娘と遊ぶこと。
お話を聞いた人 秋元 佑太
MY FUTURE CAMPUS学生スタッフ 慶應義塾大学 商学部3年生。
profile_jal2高校二年生の頃からMy Future Campusに通っており、大学一年生の頃は4つのProject(ビジネスコンテスト)に挑んだ。現在は参加者ではなく、運営としてMFCに関わっている。あまり旅行に行くタイプではなく、飛行機の利用回数も多くない。ちなみに高所恐怖症。

目に見えないものを運ぶ仕事

―― MFC学生スタッフの秋元です。私自身は飛行機に乗る機会はあまり多くはないのですが、それでもJALという航空会社を知らない人はいないと思います。あらためてJALという会社について教えていただけますか?

今北さん JALは1951年に戦後初の日本人の手による航空会社として誕生し、今年で設立65年になります。皆さんが航空会社の職業として想像しやすいパイロットや客室乗務員、さらには整備士やグランドスタッフ、チケットの発券や機内食の調理・管理など、様々な職に就く社員の数は30,000名を超えています。現在、JALの翼を付けた航空機が就航している地点は海外に37地点、国内に55地点を有し、1日に約1,000便のJALの飛行機が空を飛んでいます。ところで逆に私から秋元さんに質問したいのですが、JALはいったいどんな仕事をしていると思いますか?

―― JALの仕事……。それは航空による移動手段を提供しているというか、つまり運ぶことが仕事だと思っていますが。

今北さん 確かに私たちは飛行機で人とモノを運んでいます。例えばモノの場合は、朝、北海道の海で獲れた新鮮な魚介類、あるいは九州の畑で採れたみずみずしい野菜が、夕方には東京のスーパーに並び、秋元さんの晩御飯の食卓に出されます。もちろん人も運んでいます。ただし想像してもらいたいのは、その人やモノにはそれぞれに夢や思いが詰まっているということです。ある人は留学するという夢を持って搭乗し、ある人は好きな人に会いに行くという思いを持ってボーディング・ブリッジを渡ります。モノの場合でも漁師さんや農家の人々の思いが籠められています。そして文化も運んでいます。例えば海外の美術館に行かなければ鑑賞できない絵画をJALの飛行機で日本へ運び、日本で観ることができる。それは同時にその絵画を取り巻く壮大な文化も運んでいることになるのです。目に見えないものも大切に安全に運ぶことが私たちの仕事です。

―― 心や思い、文化など目に見えないものも運ぶ。そのためにはきめ細かなサービスも欠かせないような気がします。

今北さん JALではお客さまに最高のサービスを提供することがミッションです。お客さまに最高のおもてなしをすることで満足度を高めていきたいと考えています。このように私が話すと、きっと秋元さんは「でもおもてなしって、他の航空会社もしているような……」と考えるでしょうね(笑)。確かにどのエアラインにとっても差別化、ブランディングは課題です。一つ言えることはお客さまに満足していただけるフライトのためには航空会社が常に成長しなければいけません。具体的には収益を上げる必要があり、そのためには一人でも多くのお客さまに乗っていただくことが大事です。つまり選ばれ愛される航空会社でなければならないのです。

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JALという確固たるブランドをさらに高めて行くにはどうするべきか、ブランド推進の要として活躍される今北さん。

挑戦から生まれてきた JALの新しいサービス

―― では、選ばれる航空会社であるために、具体的に他社とは違う目に見えるサービスをJALは提供していますか?

今北さん まず機能面については、JALは国内線で他社に先駆けて機内Wi-Fiサービスを導入しました。空の上でも地上と同じように快適にお過ごしいただける環境を用意しました。そして飛行機ならではの問題として座席スペースのゆとりがありますが、JALはエコノミークラス(普通席)の座席の足元を広くしました。また、空港ロビー内では音のバリアフリーを目指した「ミライスピーカー®」を導入。これは蓄音機の技術を応用したもので、同じ音が遠くまで聞こえやすいスピーカーです。耳のご不自由なお客さまもチェックインカウンターや保安検査場などで安心して案内を聞いていただけるように、つまり少しでもストレスフリーにJALの飛行機を利用していただくためのものです。これらは当社の「チャレンジJAL」の一環で、最先端の技術なども取り入れて、新しいサービスや価値の創造を目指しています。

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FMCスタッフの中で、一番飛行機に接していない人ということであえて、インタビュアーに選ばれた自分……。

―― なるほど。このミライスピーカー®は高齢化社会がますます進む中、まさに今回のテーマである社会課題の解決の一つと言えますね。

今北さん 私たちはエアラインですから、お客さまを目的地まで安全、定時、快適にお連れし、さらに利便性を感じていただけることも大事です。しかしながらハンディキャップを持ちスムーズに飛行機に乗れないお客さまもおられます。私たちはそのようなお客さまをプライオリティゲストとお呼びしていますが、そのようなお客さまが快適に空の旅を楽しめるためのアイデアを考えてもらうのも課題解決の一つです。ただし私がこのようにお話ししたからと言って、それがすなわち正解ではありません。ぜひ柔軟な発想で今回のテーマに取り組んでもらいたいです。

―― 最先端技術を応用したサービスの導入には、JALだけでなくメーカーや研究機関などの協力も必要だと思います。今回のテーマでは、そのようなコラボレーションも視野に入れても大丈夫ですか?

今北さん もちろんです。私たちはメーカーではありません。ミライスピーカー®もスピーカーの開発会社の協力があって実現しました。JALと各メーカーが協力することでそれぞれの企業にとって利益をもたらし、かつお客さまの快適さやメリットにも繋げていくことが大事です。ただし繰り返しになりますが、今回のテーマに挑んでもらう上で重要なのは柔軟な発想です。すでにある物をただ掛け合わせるのではなく、新しい価値となりうるものを皆さんには提案してもらいたいです。

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「好き」という卑近な言葉の奥にある、意味についてしっかり考えてもらいたい、と今北さん。

飛行機にあまり乗らない高校生だからこそ見えてくる未来の課題

―― 高校生にとって飛行機は非日常的な乗り物です。そんな高校生にとって、今回のテーマを考える上で何かヒントをいただけませんか?

今北さん まずここで確認しておきたいことがあります。2023年における社会課題とその解決策については、航空利用に限定した内容でなくてもいいということです。つまり高校生の皆さんのように、飛行機にほとんど乗らない人も含めた社会全体の課題としてとらえてください。2023年には、航空利用時だけでなく、日常生活でいったい何が課題となっているのかをじっくり想像してみてください。その課題に対して、JALが持っている強みを活かして解決できる方法はないのかを考えてください。そしてその解決策を広く社会の人に知ってもらうためのプロモーション方法も提案してください。

―― それなら飛行機に縁のない高校生にもチャレンジしやすいですね。ちなみにJALから見たら決してお得意様とは言えない高校生にも、あえて挑戦の門戸を広げた理由があるのですか?

今北さん 飛行機にあまり乗らない高校生だからこそ、きっと独創的な提案をしてくれると思ったからです。アイデアには独創性が重要で、JALのこれまでの挑戦の道のりともリンクします。今回の当社のテーマは決して簡単ではないので、きっと高校生の皆さんは悩むでしょう。しかしこのテーマに取り組むことで新しい自分を見つけてもらえるのではないかと期待しています。新しい自分を見つけると豊かな人間性も培われます。そして人間性の広がりが将来の自分を助けてくれます。既存の枠にとらわれないで自由に考えてもらいたいですね。皆さんがこのテーマにチャレンジすることで、日本の翼であるJALの未来も受け継がれて行くのですから。

―― 今北さんのお話しを聞くと、高校生自身の成長・キャリア教育も内に秘めた今回のテーマなのかなと感じました。ぜひ彼ら彼女らに力強いメッセージをお願いします。

今北さん テーマについてのヒントや柔軟な発想力の大切さについてはすでにお話ししたので、少し私自身の想いを伝えたいと思います。私は入社後、航空券予約の仕事からスタートしました。今はコーポレートブランド推進部に在籍していますが、入社後一貫してこの仕事を選んでよかったと思う瞬間があります。それはお客さまからありがとうと声をかけていただくとき。その瞬間は、お客さまに最高のサービスを提供できた一つの証なのだと考えています。日本の翼、JALの魅力を受け継いでいくことは、おそらく日本のよさを継承していくことだろうと思います。そういう点でも次代の担い手として、高校生たちには大いに期待しています。頑張って挑戦してください!

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テーマのことはもちろんのこと、プライベートな悩みにも兄貴のようにフランクにアドバイスを頂き、
恐縮している……の図。

秋元 佑太の取材後記

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高校生の皆さん、JALのテーマに挑むイメージが沸きましたでしょうか? この記事はもちろん、ご自身でJALの調査や専用講座を受講し、万全の態勢でキャリア甲子園に挑みましょう。余談ですが、今回取材させて頂いた今北さんは、専用講座の講師も務めていらっしゃいます。講座を受講した方は分かるかと思いますが、今北さんはどのような印象でしたか? おそらく、冷静そうな印象を受ける方が多いと思うのですが、今北さんいわく「高校生向けに、冷静な雰囲気で講義をした」そうです(笑)。実際にお話を聞いてみると、非常に熱い想いを持った方で、キャリア甲子園に対する意気込みと期待の強さをひしひしと感じました。今北さんの期待通り、いや、期待を超えるようなプランを提案できると良いですね。キャリア甲子園、頑張ってください!


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