Chatwork株式会社 代表取締役 山本 敏行


みなさんは、「チャットワーク」というサービスをご存知でしょうか?「チャットワーク」とはチャット、タスク管理、ファイル共有、ビデオ通話などが利用できるビジネス向けのクラウド型ビジネスチャットツールです。ビジネス現場での連絡手段はメールが当たり前と思っている人も多いですが、実は日系企業でも社内の連絡手段を「メール」から「チャット」に変えているところも増えています。本日は「チャットワーク」サービスを提供しているChatWork株式会社の代表取締役の山本さんにインタビューしてきました。

山本さんプロフィール
1979年大阪府生まれ。中央大学商学部卒業。大学4年の時にLAに留学。留学中にアメリカで日本向けにネットコンサルティングサービスの会社を起業。2011年にクラウド型のビジネスチャットツール「チャットワーク」の販売を開始し、2012年は米国法人をシリコンバレーに設立。現在では自らシリコンバレーに移住し、日本と米国で会社をマネジメントしている。

好調の裏で経営者は何を思うのか

−シリコンバレーに移られて今年は4年目になりますが、現在のアメリカでの事業はどんな様子でしょうか?

シリコンバレーでオフィスを立ち上げて2年、今まで自己資本でやっていきましたが、限界がきてしまいました。例えば、アメリカで優秀な人材を確保するためにはそれ相応の給与などを提示しないと確保はできません。そこでVCから資金調達することにしたのが昨年の4月です。

それによって優秀な人材を3名採用することができ、新体制になってから本格的に動き出して半年が経ちます。PRに力を入れたり、アメリカ国内での戦略を考えてもらったりなどいい具合に歯車が回り始めました。

−現在は日本とアメリカをどのようにマネジメントしているのですか?

私を含めた役員3名は10年以上一緒にやっているので、チームワークはとてもいいです。また、CTOは私の弟ということもあり、私の考えもわかってくれていると思います。
しかし、新しい人もどんどん入っていくので、チャットとビデオ通話だけでは厳しいので私が日本へ行ったり、日本にいる社員にシリコンバレーへ来てもらったりしています。それによって社員に親近感を持ってもらおうとしています。

−組織が拡大するにつれ、大変なこともありますでしょうか?

30人くらいの組織だったら今までも経験したことがあるんですけど、今は約60人(2016年1月末時点)になりました。シリコンバレーにいることも相まって、だんだん顔と名前が一致しなくなってくることもちらほらと・・・言い訳ですが(笑)

また自分が同じように情報を発信しても、違うように捉えてしまわれてしまうこともあります。私も完全には把握することは難しく、今まで経験したことのない新しい領域に突入してきたと思います。しかし、それは自分の経営者の幅を広げる新しいチャレンジとして楽しんでいます。

−今後どのような事業展開を目指しているのか、教えていただけますでしょうか?

国内は順調に伸びているので、今自分がコミットするグローバル展開に力を入れたいと思っています。出資していただいているVCの方も「日本初のIT企業が世界で戦って勝てるよう、応援したい」と言ってくれています。その方たちからの力も借り、事業にブーストをかけていきたいと思っています。

アジア市場は自然に伸びているので、まずはアジアをしっかりと押さえてアメリカ、ヨーロッパを攻めていきたいですね。

学生時代に起業、その原点とは

チャットワーク写真1
−学生時代の時からインターネットビジネスに携わっておられましたが、ビジネス感覚というのはどのようにして培ったのですか?


これはあまり話していないのですが、小学生のときにカツアゲされたことがありまして(笑)。そのときに「待っているだけじゃダメだ。自分から稼ぎにいかないといけない」と小学生なりに思ったんですね。それから中学生のころから母親がやっていた線香の箱を作る内職を手伝い、1ヶ月で3万円ほど稼いでいました。

高校に入ってもその姿勢は変わらず、常に稼がなきゃいないと思っていたら、弟をきっかけにインターネットの世界に出会いました。インターネット上で物の売り買いを行い、お小遣いを高校生で20万円ほど稼いでいましたね。その時から顧客に刺さるキャッチコピーを考えたり、どうやったらコンバージョン率が上がるかなんて事を毎日研究してました。

そして、インターネットが普及し始め、2000年頃にようやく中小企業が自社のWebサイトを持つようになったのですが、私は4、5年前からサイト運営をやっていたので、既にもうインターネットの世界ではベテラン状態だったんです。当時、企業のWebサイトは「ダサっ!」と思ってしまうようなHPばかりでしたので、そこでホームページの制作支援事業を始めました。それらの経験が蓄積されていって、今こうして会社を立ち上げるくらいになってきました。

−ずっとビジネスをやられていますが、インターネットビジネスの魅力とはなんでしょう?

今はスマホが当たり前になっているじゃないですか。当時は未開拓の地に出会ったときのような衝撃でした・・・。もうこれ以外のことはやりたくないというくらいの魅力を持っていると思いますよ。もうね、これは、理屈や言葉じゃありません。体の底から湧き出る好奇心ですね。

ChatWorkは世界をどう変えるのか

チャットワーク写真2

遠方にいる社員ともビデオ通話で会議していました!

−ビジネスチャットツールの先駆者ともいえるかと思いますが、何故この領域に挑戦しようと思ったのですか?市場に可能性を感じたのでしょうか?

いや、市場は僕達が作ったんですよ。当時は市場そのものがなかった。始めた動機はもう単純で、自分達がチャットで仕事をしていたからです。僕は一方通行のメールが好きじゃなくて、リアルタイムコミュニケーションが出来るチャットで昔から仕事をしていました。ただ昔は、プライベート用のカジュアルなチャットツールしかなかった。そこで、ビジネスに特化したチャットツールはありなんじゃないか、と。

−最近は在宅勤務なども増えていますから、市場のニーズは高まりそうですね。

でも僕は、出社することも必要だと思っています。だからうちの会社は出社が前提です。

それは意外ですね。在宅のリモートワークが当たり前なのかと思っていました。

僕はインターネットは人間の可能性を増加させる武器の一つだと僕は思っています。でもそれで全てが解決するわけではない。直接顔を見て話す事のメリットも当然あるわけです。でも、わざわざ会わなくても解決することもある。だから僕達は出社前提ではあるものの、体調や天候が悪かったりする時は在宅も自由に選べます。武器が増えるという事は、自由度が増すという事なんです。択一の選択肢の中で固定されず、自由な中で最適な選択肢を選べばいいと思っています。

経営者からのアドバイス


−これまでの話でも激動の学生時代が垣間見れましたが、学生生活はどのように過ごすのかいいと思いますか。

自分のやりたいことを見つけてがむしゃらにやることが大事だと思います。なんでもいいから好きなことをがむしゃらにやること。自分も学生の頃はがむしゃらにやってきました。他のみんなが合コン行ってる裏で仕事していましたね。

また、自分の強みがわからないって学生の質問としてよく聞きますが、その時いつもアドバイスしているのは「自分が当たり前にやっていることなのに、周りにとってはそうでない。周りがバカに見えるようなこと。それが自分の強みだよ。」って言っています。自分が当たり前にやっててできるから飽きてたりするかもしれないけど、その延長線上に自分の強みの発展系があると思うので、それをがむしゃらにやるといいと思います。

−「自分のやりたい事」と、「ビジネスとして成立させる事」がうまく両立できない学生も多いように感じます。そうした学生に何かアドバイスをいただけませんか?

僕が創業した時代とは市場の環境が違うと思うので、今学生が自力で起業することは相当難易度が高いと思います。今はインターネット業界にも大手企業と呼ばれるようなところが増えてきましたし、市場的なやりづらさもあると思います。

それでも自分で起業したいなら、スタートアップ系の会社でインターンしてみるのも良いと思います。また、起業している人にメンタリングをしてもらうのが良いと思います。

自分の身の回りに起きている問題からビジネスにしようとする学生が多いのですが、それだと市場が小さい!(笑)なので、そのアイデアを客観的にアドバイスしてもらえる人を絶対に見つけた方がいいですね。いつでも言ってくれれば、私も相談に乗りますよ!

ー本日はありがとうございました。

(文責:堀慎太郎)

ほりしんの取材後記

チャットワーク写真3

貴重なお話ありがとうございました!

普段はシリコンバレーにいらっしゃる山本さんがタイミングよく日本に帰国されていましたのでインタビューさせていただきました!限られた時間でしたが、学生時代のことやビジネスに対する考えなど幅広く聞かせてもらい、勉強になると同時に、本当にエネルギッシュな人だと感じました。チャットワークが今後どのように世界を巻き込んでいくのかとても楽しみです!僕もチャットで仕事をやってみたいと思います!山本さん、ありがとうございました!

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