青山学院大学 文学部 英米文学科 3年生 関谷 葉月



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「私なんかで本当にいいんすか!?」インタビュー開口一番に彼女はこう言った。MFCには大学1年生の後半から参加。大学生プロジェクトメンバーも経験しながらキャリアに対して周りよりも少し早くから考えていたものの、ノリやキャラだけ見ると飲み会好きのどこにでもいるごく平凡な大学生ともいえる。
しかし、有名大学の優秀な学生達が多く挑戦した『日立製作所のビジネスコンテスト』では、優勝は逃したものの綿密に調べ上げたデータの裏付けを元に、3位入賞に入る大健闘を見せた。キャリアに対して意欲的で優秀な学生達が集まるMFC。そんな中で“どこにでもいる普通の女子大生”の彼女がどんな思いでこれまで参加してきたのかに迫った。

(*インタビュー記事は全て取材時、2014年12月時点のものです。)

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意識高い学生の中で“普通の”学生の意地を見せてやる

とにかく愉快な関谷さん。チーム集合写真を撮ろうとするとこの有様

羽田

お久しぶりです!

関谷さん

お久しぶりっす! インタビューするの、私なんかで本当にいいんですか? これまでにMFCの学生インタビューに出てる人たち、なんか凄すぎて昨夜お母さんと戦々恐々としてたんですけど……。

羽田

いやいや。まぁ能力うんぬんではなく、関谷さんは面白い学生さんだと思ってるからインタビューしたいな、と。その「面白い」ポイントを今日は探っていきたいんです。

関谷さん

はぁ……。私、別に意識も能力も高くないですからね。平凡学生ですよ!

羽田

(笑)。関谷さん、日立のビジコン、3位入賞でむちゃくちゃ落ち込んでましたよね。

関谷さん

もう、そうですね。本当に悔しくて。終わった後の集合写真、写りたくなかったくらいです。見直してみてください。私、ブスっとした顔してますから(笑)。

羽田

大人気ない(笑)。まあでも、それくらい悔しかったってことだと思うんだけど、それが意外で。

関谷さん

え、意外ですか?

羽田

なんかどちらかと言うとちゃらんぽらんなイメージがあったから、正直、あそこまで頑張ると思ってなかったんです。下調べがきちんと出来ていてプランもしっかりしてたし、プレゼンも素晴らしかった。でも最初は、「私達じゃ無理でしょー」みたいな事言ってましたよね?

関谷さん

ちゃらんぽらん(笑)。いや、まぁ口ではそう言ってましたけど、本気でしたよ。MFCのビジコンってプレゼンうまい人とか頭いい人とか意識高い人とか、スペック高い学生達が集まってるじゃないですか。学校もみんなすごいとこばっか行ってるし。

羽田

うん、まぁそうですね。

関谷さん

私、今回ビジコンに挑戦する時に誰をチームに誘おうかなと思ったんですけど、あえて「普通」の友達を誘ったんです。キャリアに前のめりな人じゃなくって。

羽田

ほう? それはなんで? あなた、顔広いしビジコンとか好きそうな友達もたくさんいたでしょう?

関谷さん

なんか、狼煙あげたかったんですよね。普通の学生の底力見せてやるぜ! みたいな。

羽田

ほう! 面白いですね、それ。

関谷さん

私たちみたいな普通の学生チームが、優秀な学生達を負かして、日立のような大企業から表彰されるのって、なんかかっこいいじゃないすか。平凡な学生の逆襲というか、歴史に名を残せるかなって。まぁ負けちゃったんで何も言えませんけどね(笑)。

羽田

なるほど。でも確かに、関谷チームの団結力というかチーム感、すごかったです。仲良しというか。普段から仲良しなメンバーだったんでしたっけ?

関谷さん

いや、全員そうだったわけじゃないです。高校時代にみんな同じ部活でしたけど、顔知ってる位の仲で。でも、このビジコンを一緒にやってく中でむちゃくちゃ仲良くなりましたね。アイデア出して、いろんなところに調査行って、プレゼン練習やって、脱線もしまくってましたけど……。あー、勝ちたかったなぁ(笑)。でも、超楽しかった。

渋谷を歩くと、そこかしらで話しかけられる女

大学2年生の時の関谷さん。ちょっと派手なような……。

羽田

でも、そうしていろんな人と仲良くなれちゃうのって、関谷さんの強みだと思います。

関谷さん

そうですね、仲良くなるのは得意だと思います。馴れ馴れしいというか八方美人というか(笑)。

羽田

まぁそうとも言うけど、不思議と嫌味がない。表面上で仲良くしてこようとする人たちはたくさんいますけど、関谷さんは本当に素直に仲良くなろうとしてきますよね。

関谷さん

なんなんすかね、特に何か考えてるわけじゃないんですけど(笑)。でも、昨日敵だった人とも普通に仲良くなれる自信はありますね。「おっけ! ご飯行こう!」みたいな(笑)。ビジコンでも、他チームでむっちゃ仲良くなれた友達ができました!

羽田

それは、関谷さんの強みだと思うんですよね。

関谷さん

そうですかね? 自分では普通のことしてるつもりなのでわかんないですが……。

羽田

僕が驚いたことがあって。ビジコンに向けたプレゼン練習の帰り、関谷さんと渋谷まで一緒に歩いたじゃないですか。その時に、関谷さん、渋谷の街中でいろんな人から声かけられて呼び止められてた。

関谷さん

あー、ありましたね。あの時は、たまたま友達が渋谷のいろんなお店で飲んでたんですよ(笑)。

羽田

街中で知り合い一人とバッタリ会う事くらいはたまにあるかと思うけど。あと、もし知り合いを見かけても、相手が自分に気がついてなかったら普通は話しかけたりもしません。そこを何人も、しかもわざわざ大声出して関谷さん呼び止めて。あれって、本当に仲良い人じゃないとしないと思うんですね。だから、普段から深くコミュニケーション取ってる友達がたくさんいるんだろうなって。

関谷さん

ありがとうございます! 自分ではそんなに自覚ないですっ!

個人としては負けてもいいけど、みんなで頑張ったことは認められたい

ビジコンの打ち合わせの様子。大はしゃぎで笑いの絶えないミーティング。

羽田

あともう一つ覚えてることがあって。関谷さん、夏にあの超人気企業の難関インターンに合格しましたよね? 僕はエントリーシートの添削したけど、すごくエモーショナルで愛に溢れた文章で。表面的な文章を書く学生が多い中、本当に好きじゃないとああいう文章は書けない。だから、なんというんだろう、関谷さんって、ものすごく人間臭くて感性の人なんだなと。そこがいろんな人とすぐ仲良くなれちゃう秘訣なのかもしれない。

関谷さん

そうですねぇ。私、特に何が出来るってわけじゃないし自分に自信があるわけでもないんですけど、人に何かを伝えたりするのは、ひょっとしたらちょっと得意なんじゃないかと思ってるんですよね。

羽田

プレゼン、結構上手ですしね。意外ですが。

関谷さん

どうもです(笑)。全員スティーブジョブズのモノマネでプレゼンしたのは全くウケませんでしたが(笑)。でもあれもチームワークの中で出てきたアイデアです。やっちゃえ! って。

羽田

(笑)。関谷さんにとって、人間関係とかチームワークって何?

関谷さん

うーん、難しい質問ですけど、でもさっきもお伝えした通り人に何かを伝えるのが得意だとすると、私の特技って、結局人がいないと成り立たないんですね。だから私はやっぱり誰かとの関係性の中で成り立ってるんだなって最近思うんですよね。

羽田

やってきたスポーツも、チームスポーツですしね。

関谷さん

そうですね。なんか私って、自分に自信がないせいか、私個人の事に関しては全く負けず嫌いじゃないんですね。でもなんていうか、みんなで頑張ってきたことについては人以上に執着があるかもしれません。

中学時代の恩師から授かった「頑張るのは周りのため」という言葉

ビジコン本番のプレゼン。彼女、プレゼン超上手です。やる時はやる!

羽田

いつからそんなに「周囲のため」という思考になったんですか?

関谷さん

どうでしょう……。印象に残っているのは、中学時代に通ってた塾の先生の言葉ですね。「勉強を頑張るのは周りの人のためなんだ」って言葉。

羽田

ほう。いい言葉ですね、それ。

関谷さん

私、自分自身の進路とかどうでもよくて。中学の時はそこそこの進学校通ってたんですけど「何でこんな勉強しないといけないんだろう」って思ってたんです。でも、その先生の言葉が何かやけに自分の中で腑に落ちて。ああそうか、私は周りの人の為に頑張らないといけないんだって思えて。そこからですかね、自分が所属してる組織とかチームとか、周囲の人に忠誠心が湧くようになったのは。

羽田

なるほど。だから一緒に頑張ってきたメンバーの事を考えると、ビジコン3位という結果は悔しかったわけですね。

関谷さん

そうですね。ほんとに辛くてしばらく負けを認められなかったです。何で負けたんだろうって、納得いかなくて。でも後日、プレゼン準備で色々と相談に乗っていただいた大学の教授のところにお礼とご報告にお邪魔したんですね。

羽田

そういうとこ、偉いと思う。ほんとに。

関谷さん

いえいえ(笑)。そしたらその教授が「悔しいのはわかった。でもそこで終わるから青学生はバカにされるんだ」って言われて。「今ここで反省会して、次に活かさないとダメだ」って。別に青学代表じゃないですけど、青学チームは私たちだけだったし、これで終わったら確かにダメだなって。そこで反省会したら自分たちの足りないところとか冷静にちゃんと見えて、それで納得して、ようやくスッキリしました。

羽田

なるほど。さて、これから就活ですね。イメージとかあるんですか?

関谷さん

就活ですねぇ……。正直、今までは某超人気業界しか見えてませんでした。でもビジコンで色んな人と会って話す中で、ちょっと方向性に幅が出てきたかもしれないです。

感性だけじゃダメ。幅が広がったキャリアの見方

ビジコン終了後の懇親会で一言。3位入賞の悔しさを滲ませながら……!

羽田

ほう、というと?

関谷さん

今まで感性とか感情とかに任せるままに生きてきて。あんまり深く考えずに憧れもあって某業界志望だったんですけど、今回のビジコンですっごく頭使って、「やっぱり感性だけじゃダメなんだな」って事も分かったんです。あと、頭使ってみんなで何かをゼロから生み出していくのって面白いんだなって。

羽田

ほほう。

関谷さん

私は「結婚して仕事は3年で辞める」って普通に思ってたんですけど、働く女の人、かっこいいなって最近思うようになってきました。まだ自分にできるかどうか分かんないですけど、考える幅は広がってるなぁって思います。

羽田

よい事ですね。でも感性のままに生きてる関谷さんも素敵だとは思いますよ。

関谷さん

まぁでも、そんなすぐに理知的にはなれないです(笑)。私、ビジコンで負けた後チームで飲んだんですけど、悔しくて大泣きして、酔っ払って帰りの電車寝過ごして。気づいたら全く知らない埼玉県の駅のホームで一人で泣いてたんです。外国の人に心配されて声かけられて我に返りました(笑)。

羽田

やっぱりもうちょっと考えて生きてください! 本日はありがとうございました!

取材後記

どんな能力を身につければ将来活躍出来るのだろう。多くの学生さんが一度はそんな事を考えた事があるのではないだろうか。しかしその答えは恐らく、ない。生きる世界が変われば、必要とされる能力が変わるからだ。勿論苦手な能力を伸ばすのは大切な事だが、それよりも自分が他の人には負けない能力を一つでもしっかりと持っておく事の方が大事だと思う。
彼女は、いわゆる“優秀な学生”ではない(すいません)。ズボラだしお調子者だ。だが、人を惹きつける力、人を味方につける力、そして、人に共感する力においてはかなり稀有なレベルの能力を持っているのではないかと以前から感じていた。一方で人間関係を大切にする余り繊細な一面も持ち合わせ、傷つきやすい一面も持ってはいるのだが、それも人に共感する感性が優れているからだろう。
全てに通用する能力なんてない。でも、何か一つ武器を持っていれば、たとえ打率は悪くても突然ホームランを打ったりする。そんな事を感じさせられたインタビューだった。

(取材/執筆:羽田啓一郎)
MY FUTURE CAMPUS責任者。企業の新卒採用の担当営業を経験後、キャリア教育事業の立ち上げを担当。大学の嘱託講師や政府の政策研究委員、新聞の連載コラムなども経験あり。学生にビジネスプラン考えろとか言う割りに、自分はビジネスプランを考えるのが苦手。

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