【日本航空】「大学生がJALを好きになり、今後ビジネスパーソンになっても、継続してJALを選んでくれるような新しい取り組みを提言せよ」


日本を代表する航空会社、日本航空(JAL)。就活でもつねに人気企業にランキングされています。今回、JALが掲げるテーマのターゲットは、まさに私たち大学生。自分たちを主役にしてアイデアを展開していくことができます。だからと言って簡単ではありません。誰もが知るブランドとしてのJAL。そのブランドに秘められたこれまでの努力や工夫を伺うことで、アイデアのヒントが見えてきます。

お話をしてくれた方 今北 恭平さん
日本航空株式会社 コーポレートブランド推進部 ブランド戦略グループ
profile_incolle2005年入社。入社後は予約センターおよび羽田空港でお客さまと直接応対する現業部門に約3年間従事。その後2008年より本社部門に異動し、カスタマーサポート業務およびマーケティング戦略、企画を約6年間担当した後、2014年11月より現在のブランド戦略を担当。趣味はスポーツ観戦と3歳の娘と遊ぶこと。
大阪大学 経済学部 経済・経営学科卒業
お話を聞いた人 秋元 佑太
MY FUTURE CAMPUS学生スタッフ 慶應義塾大学 商学部3年生。
profile_yuta高校二年生の頃からMy Future Campusに通っており、大学一年生の頃は4つのProject(ビジネスコンテスト)に挑んだ。現在は参加者ではなく、運営としてMFCに関わっている。あまり旅行に行くタイプではなく、飛行機の利用回数も多くない。ちなみに高所恐怖症。

一人でも多くの人にJALの飛行機に乗ってもらうために

―― MFC学生スタッフの秋元です。JALといえば日本を代表するエアラインというイメージを持っていますが、あらためてJALについて教えていただけますか?

今北さん JALは1951年に戦後初の日本人の手による航空会社として誕生し、今年で設立65年になります。空運業として人やモノを飛行機で運ぶ仕事ですが、ただ運ぶだけの仕事でもありません。JALを利用するお客さまの思いや夢、また文化といった目に見えないものも大切に運んでいます。市場や経済をよく知る大学生の皆さんなら、JALに限らず航空運送事業は激しい競争にさらされていることや、JALの再生の道のりなどもよくご存知でしょう。私たちは社員が持つべき意識、価値観、考え方を記載したJALフィロソフィによる意識改革と、社員全員が経営に参画しているという部門別採算を柱として、一人でも多くのお客さまにJALの飛行機をご利用いただけるよう差別化・ブランディングも進めてきました。

―― 一人でも多くの人に乗ってもらうということは、つまり多くの航空会社の中からJALを選んでもらうことだと思うのですが、そのためにどんなことを実践されていますか?

今北さん まず目に見える部分として、様々なサービスの強化があります。例えば、国内線では他社に先駆けて機内Wi-Fiサービスを導入しました。地上と空の上で何が違うのか、地上にはあるけれど空にまだないサービスは何だろうと考え、機内のインターネット環境を実現しました。また国際線ではエコノミークラスの座席の足元のスペースを広げることで、快適に機内でお過ごしいただけるようにしました。ただしこれらはあくまで物質的なサービス。ここに空港係員や客室乗務員などJALのスタッフのヒューマンサービスが加わります。仮に座席が広くてもヒューマンサービスがマイナス評価では意味がありません。なぜならサービスは掛け算だからです。座席のゆとりが5点、ヒューマンサービスが5点なら合計25点の評価です。しかしヒューマンサービスがマイナスなら全体の評価もマイナス。JALは品質で勝負していますから、最高のサービスで最高の品質を感じていただくことで、選ばれるエアラインを目指しています。

―― つまりお客様への最高のサービスが、JALの特徴やブランドの一つだと思うのですが、それを広げていくことは難しくないですか?

今北さん 確かにブランドを維持し、かつ高めていくことは簡単ではありません。そこで私たちは社員一人ひとりがまず、JALブランドを「理解すること」が大事だと考えてきました。パイロットや客室乗務員以外にも、グランドスタッフや整備士、機内食の調理、コールセンターなど実に様々な職の社員がいるのが航空会社。その一人ひとりがプロフェッショナルとして、お客さまに最高のサービスを提供するために何が必要だろう? という高い意識をもって、常に自分の頭で考えることを大切にしています。その理解というプロセスを経ることが、お客さまにご満足いただくことにつながります。ブランドというと少し難しく聞こえるかもしれませんが、JALを好きになってもらうことが、その根っこだと考えています。

20160823-_89Q6622

JALという確固たるブランドをさらに高めて行くにはどうするべきか、ブランド推進の要として活躍される今北さん。

まずはJALを好きになってもらうことから

―― 今回のテーマにも重なる部分ですが、JALではお客様に継続して利用してもらうための新しい取り組みとして、空港アナウンスに最先端のスピーカーを導入したそうですね。

今北さん はい。「ミライスピーカー®」という音をはっきりと遠くまで届けられるスピーカーを導入しました。高齢化社会の深まりはもちろんですが、ストレスなどで急に難聴をおこす方もおられます。JALではご高齢の方やハンディキャップを持つ方も、皆さんが等しく利用しやすいバリアフリーにも力を入れています。このミライスピーカー®は当社がお客さまに最高の空の旅を提供するために、新しいサービスや最先端技術を積極的に取り入れる「チャレンジJAL」の71番目のミッションでした。歴史ある航空会社ですが、先進的なサービスを実現するための挑戦を常に行っています。

―― 歴史ある航空会社がある一方で、最近はLCCの台頭も目立っています。実際に価格が安いので、大学の友人はLCCを利用することも多いです。その中でJALはどうやって選ばれるための努力をしているのですか?

今北さん 飛行機を利用する方は、大きくいうと価格=安さを求める人と、価格以外の部分を重要視している人に分かれます。そしてJALはもちろんその後者をメインターゲットとして考えています。とは言っても、JALも決して価格競争を無視しているのではなく、路線や購入時期などいろいろな条件を付けた上で安い運賃を提供しています。それでもやはり私たちの強みは品質です。例えばJALは定時到着率が世界1位で、遅れてはならない会議を控えたビジネスパーソンにとって、この安心感や信頼感は他に変えられない価値だと思います。この品質、最高のサービスがこれまでJALが長年積み上げてきた強みだと思っています。

20160823-_89Q6741

FMCスタッフの中で、一番飛行機に接していない人ということであえて、インタビュアーに選ばれた自分……。

―― なるほど。LCCに慣れた大学生は、社会人になってからも低価格の魅力から抜け出せないのでは……と思う部分もあったのですが、価格を上回る決め手や魅力があるわけですね。

今北さん そうです。ただしここでもう少し深堀りすると、LCC以外の航空会社で、最高レベルのサービスや品質の提供を目指している航空会社はJALだけではありません。するとやはりJALを好きになってもらうことがポイントです。先ほどブランドについても「好きになってもらうこと」に触れましたが、この「好き」というのはとても奥が深いものです。仮に好きになってもらったとしても、瞬間的なものでなく継続してもらうことが大事です。今回のテーマはその部分も含んでおり、「どうすれば大学生にJALを『好き』になってもらえるのか」もじっくりと考えてもらいたい部分です。

20160823-_89Q6829

「好き」という卑近な言葉の奥にある、意味についてしっかり考えてもらいたい、と今北さん。

主役はまさに、自分たち大学生

―― 今回のテーマ「大学生がJALを好きになり、今後ビジネスパーソンになっても、継続してJALを選んでくれるような新しい取り組みを提言せよ」ですが、やはり飛行機をよく利用する学生をイメージしていますか?

今北さん いいえ。秋元さんもそんなにしょっちゅう飛行機には乗らないでしょう? 今回のターゲットとする大学生は飛行機にあまり乗らない人も含めています。ただし大学生を趣味や行動範囲の広さなど、課題を解くうえである程度カテゴライズしてもらっても問題ありません。手前味噌になりますが(笑)、今回の当社のテーマのおもしろいところは、大学生をターゲットにしている点です。つまりキャリア・インカレに参加して提案する人も、そのターゲットにされる人も同じ大学生。ですからまさに自分を主役にして考えてもらえればいいのです。そして自分の意見について周りの仲間の大学生の意見も聞き、独りよがりではなく共感の輪を広げて、今回のテーマに挑んでください。

―― JALのテーマを聞いたとき、短いフレーズですが3つ大きな鍵が隠されていると思いました。ビジネスパーソンになる手前という部分が肝なのかなと。

今北さん さすが、秋元さん(笑)。そうです。まず1つめはビジネスパーソンになってからではなく、大学生の時点からすでにJALを好きになってもらうということ。そしてその好きを継続していき、将来JALを選んでいただけること。そして新しい取り組みであること。この3点は大事な鍵になり、上っ面のデータや言葉だけでは進めていくことができないテーマです。難しいからこそやりがいはあるはずです。私個人の思いですが、最近の若い人はデバイスも進化しSNSなどで頻繁にコミュニケーションを取っていそうに見えますが、実際はどうなんだろうと。仲間と一緒に今回のテーマにチャレンジすることで、膝を突き合わせて生身の声で直接的に語り合うよい機会になると思っています。コミュニケーションはビジネスパーソンになってからも欠かせない基本ですから、その重要性にも気付いてもらいたいですね。

―― JALのテーマにチャレンジする学生に、ぜひメッセージをお願いします。

今北さん ぜひ具体性のあるアイデアを待っています。「誰に」「何を」などは常に明確にし、航空利用時だけでなく日常生活にも視点をおいて考えてください。そして宣伝や告知などの効果的なプロモーション方法も提案してください。学生の皆さんにとってJALは少し距離感のある企業かもしれません。ならばその距離感を払拭し、JALという会社・エアラインを皆さんの日常生活の中でより近い場所においてもらう方法を考えてください。既存の枠組みにとらわれることなく、自由で柔軟な発想を期待しています。ターゲットはまさに大学生。主役は皆さんです!

20160823-_89Q6895

テーマのことはもちろんのこと、プライベートな悩みにも兄貴のようにフランクにアドバイスを頂き、
恐縮している……の図。

秋元 佑太の取材後記

20160823-_89Q6954


いかがでしたか? 少しでもJALのテーマに挑むイメージが沸きましたでしょうか。実際に取材に行って感じたのは、『おもいやりの精神』でした。エントランスの雰囲気や社内の内装など、至る所でその精神を感じられます。
飛行機に乗る人だけではなく、JALに関わる全ての人に対するおもいやり。これこそがJALを支えるJALブランドなのだと思います。私自身、その精神に触れてJALのことを好きになってしまいました。社会人になったらJALを使おうと思います(笑)。みなさんも自分が何かを好きになった経験を思い出しながら、今回のテーマに挑んでみてはいかがでしょうか。


ci_idea_ec

permalink.
PAGE TOP